第13話「きろ」
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ないようだ。なら、休ませるのも大丈夫だろう。
「....なぁ、少し聞きたいんだが....。」
「....なんでしょうか。」
助けた女子に少し話しかける。
「....いつから一人だった?」
「えっ....?」
「...何人かの人が、あそこで避難生活していたはずだ....。...いつ、あの惨状になった...?」
そう言うと彼女は俯き、少ししてから話し出した。
「...最初は、私達含め十一人でした。...でも、しばらく経った日の夜、いつの間にか避難場所が燃えていて....それで私達はあそこに避難しました。」
「“達”って事は他にも...?」
「...はい。あの、同じ制服の子を見ませんでしたか?」
黙って俺は首を振る。するとやはり彼女は悲しそうな顔をする。
「....わぅっ!」
「あ、太郎丸...ごめんね。苦しかったでしょ?」
「わぅ〜....。」
鞄から顔を出し、溜め息を吐くような仕草をする太郎丸。結構苦しかったのだろう。
「太郎丸!?」
「...知ってるのか?」
俺の呟きを無視して太郎丸に近寄る彼女。
「わぅ?......わぅぅぅ...!」
「っ.....。」
しかし、近寄った所で太郎丸に唸られ手を引込める。
「...嫌われちゃったみたいですね。」
少し陰りのある苦笑いでそう言う。
「...さっき言っていた同じ制服の子だが...他には見ていない。」
「っ....そう、ですか....。」
他にもう一人、いたのだろう。そして、おそらくこの状況に耐え切れずあの部屋から出て行った。...そんなところだろう。
「...っと、自己紹介がまだだったな。俺は工藤遼。君と同じ学校の三年だ。」
「..二年の直樹美紀です。...先輩だったんですね。」
胡桃辺りに目配せをして自己紹介してもらうように頼む。
「私は恵飛須沢胡桃。遼と同じ三年生だ。」
「私は若狭悠里。同じく三年生よ。」
「国語教師の佐倉慈よ。こっちは三年生の丈槍由紀ちゃん。」
一通り自己紹介を終わる。
「....さっきから気になってるんですけど、工藤先輩のその銃は...。」
「ああ、家にあった奴だ。親父が元軍人でな。ちなみにこっちの刀は学校に避難する際に通りかかった家で見つけた模造刀だ。」
「なるほど....いえ、納得はできませんけど...。」
まぁ、元軍人ってだけで家に銃があるなんて思わないよな。
「....色々と話す事はあるだろうが、今は脱出しよう。学校の方が安全だ。」
「そうね...。由紀ちゃん、走れる?」
「....うん、大丈夫だよー.
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