暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
交節・紅と桜、蠍と斧
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 数秒と経たず包帯を巻いたり金の装飾を施したコボルドや、石質で出来た中型のロボット、何に属するかも分からない虫が遺跡の彼方此方から湧き出、コレでもかとアマリへ殺到してきた。

 パーティーを組んで居るならいざ知らず、十など軽く超えるモンスターの群を、アマリ一人でどう切り抜けると言うのか。


「あはー」


 前後左右問わず八方から迫る敵に対し……アマリはただ斧を最上段に掲げ、嬉しそうに笑うのみ。

 更に何を血迷ったか、浅葱色をしたソードスキルのライトエフェクトを武器に灯す。
 隙だらけにも程がある愚かな所業を、しかし彼女ギリギリまで引き寄せてから躊躇い無く実行し、


「あっはぁ!!」


 躊躇い無く、振り下ろす。


「[『!!!????』]」


 真正面の二匹を同時に叩き潰した瞬間、着弾点から爆発音が巻き起こったかと思うと―――爆炎が膨れ上がる様な勢いで、遺跡すら震わせんばかりの迫力と轟音を持って余りにも巨大かつ凶暴な“衝撃波”が飛び散った。

 大斧が、彼女自身が、宛ら爆弾と化したが如く、周囲のモンスターを時に粉砕し、時に吹き飛ばし、モンスターを塵よろしく散らかしていく。

 恐るべきは破壊力か……包囲網を一撃で、たったの一撃で崩してしまった。


「あっはぁーっ!」


 笑いながら、否『嗤い』ながら敵陣へ突っ込み、またHPの残るモンスターへ斧を振り回し、一刀のもとに胴と脚を無き別れさせていく。

 また縦真っ二つに断ち切って、血液とも見まがう赤きダメージエフェクトを撒き散らし、猛進しながら蹴散らしていく。

 一匹に首を千切り飛ばした勢いでそのまま背後の敵を横二つに切り分け、最上段からの一撃で中型ロボを《ソードスキル》で殆ど大破させれば……またも着弾点から空気を揺るがせ、轟き渡り爆裂する衝撃波。
 ポリゴンとなる前の欠損部位がゴミもかくやと吹き飛んでいき、耐えられなかったモンスターは爆風の中にて無残にも塵芥と消える。

 たった一人の、僅か一人ばかりの“少女”による、殺す側殺される側の逆転した『爆殺の殺戮ショー』は、本人のテンションも攻撃の苛烈さも一向に衰えず……アマリは、目の前の敵を本能赴くままに殺していった。


「グルゥゥゥアアアァァァアアッ!!」
「――――――!」

 怒りを含んだ咆哮を響かせ、一匹残ったコボルドが突っ込む。
 声にならない叫びをもって、嗤い続けるアマリは答える。

 口角を限界まで引き上げ、瞳にたっぷりと狂気を内包し、声にならぬ笑い声を吐き出す彼女。
 そこへ―――フンワリとした笑みと間違い敬語を緩い雰囲気で口に出す、癒し系とも言えるをも影を探す事など、もはや砂漠で砂粒代のダイヤを探すよりも不可能と言えた。

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