暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第218話 スリュムへイムの戦い
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詠唱文《スペル》を覚えるのが大変だという事は、理解しているし……、あの魔法(・・・・)を習得するのが、はっきり言って無理だから。


「衝撃波攻撃、2秒前です! いち、ぜろっ!!」

 そうこうしている内に、キリトの頭の上にいるユイが、必死に大声を振り上げていた。

 ユイのおかげもあり、前衛と中衛の全員が、直撃を回避する事が出来た。……が、そのショックウェーブまでは、避けきる事が出来ず、吹き飛ばされ彼方の壁を激しく叩いた。

「くっ!!」

 全員が吹き飛ばされたのを見たリュウキは、魔法用の(ロッド)を収めると長剣を取り出して攻撃を放ち、牽制する。
 迫るショックウェーブとリュウキの剣スキルが衝突。それがパリィとシステム的に察知したのだろうか、相殺をする事が出来ていた為、レイナやアスナにまで衝撃が届く事は無かった。 

「ありがと、リュウキくんっ! お姉ちゃん、MPは大丈夫??」

 レイナは歌い続けてバフをかけ続けるが、相手の攻撃力が高すぎて、直ぐにバフ効果を吹き飛ばしてしまうのだ。攻撃力に関しては物理耐性が強すぎる相手だから、効果が殆ど見込めないのだ。 
 アスナも、咄嗟に仲間全員のHPを確認し、更に先程の攻撃によってどれだけ削られるかをも予測をして、全体回復魔法を即座に詠唱したのだ。
 ……優秀な支援魔法だが、その為に要求されるMP量も多い為、無限に唱えられる訳じゃない。

「だめ、今のペースじゃ……、皆っ! 訊いて、後150秒程で、MPが切れる!」

 そのレイナの問いの答えは、全員に聞こえた。
 こう言う耐久戦においては、ヒーラーのMPが尽きてしまえば、待っているのはパーティー壊滅は、時間の問題だろう。全員が《眼》で 回避に回避を、攻撃に攻撃をしまくれるのなら、話は別だろうが、それは不可能だから。それが可能だったら、SAO時代でも多大なる影響を与えた事だろうと思えるから。

「キリト、……魔法を生半可にしても無駄だ。……今引っ込んだ 奥のアイツが動くだけで 、殆ど意味がない」
「ちぃ……、リュウキの隕石も握りつぶすなんて、無茶仕様も良い所だな……幾らなんでも」

 前衛へとシフトチェンジをしたリュウキが、キリトの隣でそう言った。

「くぅ……、リュウの字の攻撃魔法をあんな形で 止められるなんてよぉ!」

 魔法には否定的だったクラインも、愚痴を言う程の衝撃だった。それを訊いた、リズも同じ気分だった。

「……リタが見てなくて良かったわね。あんなのみたら、絶対、《バーサクメイジ》になる所よ。ったく、やりづらいったらありゃしない」

 悪態をつきつつも現状の不味さに歯噛みをした。

 黒い方のHPは、物理攻撃で大分削る事ができるのだが、金色がそれをさせない。そして、金色
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