第二十話「銀の福音」
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追跡を行ったところ、ここから2キロ先の空域を通過することがわかった。時間は50分後。学園上層部と、『IS委員会』からの通達により、我々がこの事態に対処することになった」
――ったく! 何で学園のお上共がこんな厄介ごとを生徒達に!?
一夏は、そんな上層部の連中の理不尽な通達に怒りを覚えた。こういうのは軍の役目だろと。
「教員は訓練機のISを使って空域を確保し、お前たち専用機持ちが本作戦の要となってこの任務に担当してもらう」
「そ、それって……!?」
俺が要と聞いて驚く。
「つまり……暴走したISを、我々だけで止めるということだ」
ラウラがわかりやすく説明した。
「はぁ!? 専用機持ち……先生、俺達は?」
一夏が質問した。
「無論、お前たちにも手伝ってもらう」
「マジかよ!?」
「一々、驚かないの!」
一夏の隣で凰が注意する。
「いや! 驚くだろ? そもそも、これ事態軍が解決するようなこったろ!?」
当たり前のことを一夏が言い返した。
そのあと、俺たちはいろいろと千冬から説明を受ける。今回の作戦に加わることについて、外部に作戦内容のことを漏らしたら裁判にかけられるとか、敵とのアプローチは一回が限界などと重要で恐ろしいことも説明してくる。
「チャンスは一回……つまり、一撃必殺の技で撃ち落とすしか方法はないわけですよね?」
と、真耶は言う。
「一撃必殺……それって、まさか!?」
一夏はさらに驚く。俺は鈍感で何が何だかよくわからないが、後程それに気付いた。
「つまりは……」
清二が俺を見る。
「狼の……」
太智も顔を向ける。
「絶対神速で、決めるしかない……!」
俺がその最後を答えた。って、まて! 俺って一番重要なポジションにつかされるわけか!?
「そ、そんな……俺!?」
「そうだ、超音速で飛行する目標に対し、光に近い速さで加速し、決定的に駆逐することのできる鎖火の絶対神速が本作戦を成功へと導く鍵となる」
いきなり、荷が重いことを言いやがる……
「ちーちゃーん!」
その声は天井から聞こえてきた。篠ノ之束である。
「またお前か……!」
「聞いて! 聞いて!? 私に超いい方法が……」
「出てけ……」
と、鬱陶しがる千冬。
「ここは! 断然、紅椿の出番だよ!?」
「なに……?」
束の言葉に、千冬の視線が箒へと移る。
彼女の話によると、紅椿は全身を展開装甲……つまりは、装着しているアーマーそのものを防御、攻撃、スラスターといった万能武器として使用することができるらしい。詳しいことは俺には分からない。とにかく、ずば抜けた凄い力を有しているとのこと。
それに対して、俺の場合は一時絶対神速が使えなくなったことを千冬が知っており、信用がやや薄いらしく、ここはとりあえず親友の束の方を第一候補として決定したの
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