第8話 アウトローに主夫が征く
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が、今はそんな気はねぇな」
「色よい返事がもらえるなんて期待してませんでしたが、ホントに今のままで良いんですか?だって、今の釈迦堂さんは“ひも”ですよ?」
「・・・・・・お前よ?もう少しオブラートな表現出来ねぇのか?」
士郎の言葉に精神に来るものがある程度はあった様で、何時もへらへら笑ってる表情を顰める。
「ニート」
「いや、だからよ」
「職務放棄員」
「いや、そのよ」
「でしたら、CO2クリエイターでは?それが気に入らないのであれば――――」
士郎の一言一言に、今日までアウトロー人生でも悪くないと思っていた釈迦堂の防禦壁がゴロゴロと崩れて行った。
「――――ホームガーディアンでは?それか平成の貴族か、あとは・・・・自宅警備員ぐらいですかね?」
「・・・・・・・・・・・・」
士郎の言葉に釈迦堂は、自分の眉間と額を手で抑えるように参っていた。
だが士郎は別に、嫌味で言ってる訳では無い。
自分の考えを他人に押し付けたくない士郎であるが、当の本人は全て自己責任なら兎も角、能力や才能はある上に一応心身ともに健康体であるにも拘らずに働かずにひもをしているのだ。
世の中には様々な問題により働きたくとも働けない人々もいると言うのに。
その為、士郎にしては珍しい位に、相手がノックアウト寸前だと気づいていながら口撃を辞めなかった。
しかし、釈迦堂はこの期に及んでささやかな抵抗を試みる。
「お、お前だって働いてねぇじゃねぇか・・・」
言葉としては、実に情けないモノではあるが。
だがそれは結果として、自身へのトドメとなるものだった。
「俺はこれでも学生ですよ?それに一応副業的なモノをやっていましてね、今日のような食材も光熱費と言った生活費は全て自費ですが?」
「なん・・・・だと!?」
「それにシロ兄は5年ほど前から、ボク達にお年玉くれてるんだよ!」
先程からだんまりだった小雪が、ツッコみどころ満載の発言を口にした。その気は無いのだろうが、まるで追い打ちをかけるように。
因みに、食事にをする前に小雪の事は士郎の彼女かと疑われたので、きっぱりと否定し終えている。
自ら地獄の鎌を開けてしまった釈迦堂は、頭を垂れながらやっとの思いで言う。
「・・・・・・・・・少し考えさせてくれ」
「今まで考える時間は幾等でもあったはずですが、解りました。ですが時間が無限にあるワケでは無いと言う事も忘れずに」
「・・・・・・・・・・・・」
士郎は、既に死に体の釈迦堂にチクリと刺した。
そんな釈迦堂の反応に一応の満足を得たのか、士郎は小雪を促してながら立ち上がる。
「辰子、俺達そろそろ帰るよ」
「〜そぉ?んじゃぁ、気を付けてねぇ〜
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