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「中東の思い出。」
中東の思い出、
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が、
仕方がない。

…今回は往復一週間の
予定らしい。



…砂漠を駱駝と共に
移動する。

昼間はまるで
アラビアのロレンス、
夜間移動の際は、
望郷の念に駆られ、思わず
月の砂漠を口ずさんだ。

駱駝は直ぐに慣れた、
意外と乗りやすいし、
人懐こい。

俺がいつも乗る
メスの駱駝は随分と
なついてくれた。
長いまつ毛が可愛らしい。



何度か親方と輸送した頃、
初めて、一人で行く時が
来てしまった。

「経験不足は承知の上だ、
シャリフには
他の土地に行ってもらう
仕事が出来た、
何度か往復している
いつもの道だ、
やってみないか、
勿論、一人だから
取り分も倍だ、」

と、社長が言う。

…俺は、いつもの
メス駱駝が相棒ならば、
と返答した。

恥ずかしながら、
彼女には、
「キャロル」と、
名前まで付けた。
「らく子」と、
どちらにしようかと
生きるか死ぬか、ぐらい
悩んだが
「キャロル」に決めた、
キャメルだけに。

…どうでもいい話だ。


初めての一人での輸送、
俺と駱駝が11頭。
勿論、相棒はキャロルだ。

…しかし、あの男は
一つだけ嘘をついた。
此処に来れば
アラビアの美女ばかり、
そう言わなかったか?
ゴロゴロいると。
…どこに美女がいる?

回りは砂漠と、
そして駱駝だけだ。

………昼間は、暑い。



キャロルは、
よくなついてくれた。
俺が降りたい時は
足を折り、
又乗るときは膝まづき、
まるで侍女の様に
かしづく様は
何とも愛らしかった。

俺の呟きには
長いまつ毛をぱちぱちと
瞬いて答えた。

方位磁石と
夜空の星が頼りの
心細い旅も
彼女のお陰で少しは気が
紛れたものだ。
彼女も鼻先を俺の顔に
擦り、信愛の情を示す。


…と、俺は思った。
国籍を越えて
愛が芽生えたと。

(国籍だけかー、
の突っ込みは
今は無視したいと思う。)


禁欲生活、一人旅の緊張、

ある日、
俺はキャロルとやろう、
そう決めた。


まだ日没前だが、
でもそんなの関係ねー、
そんな気分だ。


「キャロル、
大人しくしてろよ?
やらせろ!!」

するっと下半身裸になり
キャロルの腰に
しがみつく、、、
しかしキャロルが
思いもよらず、、
激しく抵抗するのだ、、、

「なんだキャロル、お前
俺が好きじゃねーのか!!
他の駱駝がいるから
恥ずかしいのか?あ、
まさか彼氏いるの?」

俺のささやきは
キャロルに届かない、
激しく腰を振って
俺を振りほどこうと、
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