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月下に咲く薔薇
月下に咲く薔薇 25.
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を代わりに受ける。
 黒の騎士団と特派の視線が絡み合った。
 まずいと思ったミシェルは、ミヅキにわかるよう館内のある方向を指さしつつ声を上げる。
「ええと。こんなところで微妙な立ち話も何だし、久し振りに特派とZEXISが戦場以外で会ったんだ。お茶でもしませんか? この1階にいい店がありますよ」
「店? ああ、あるある! とっておきのが」とデュオも話題に合わせ、声を一段上げる。「昨日、俺達が密談に使った店なんかお誂え向きだ」
「密談? 随分あっさりばらしちゃうんだね〜」
「じゃあ、私達は忙しいから二手に分かれましょう!」撒き餌がすぎるデュオを肘で突き、ミヅキが大山に目配せをした。「大山さん達はこのまま冷蔵ロッカーに寄って、昨日の車を全部出してくれる? 牛乳と卵が傷むと困るから、その足で先に帰っちゃって。お茶の相手は、私と…」
「俺もご一緒しますよ。グランナイツの美しい方」ミシェルが志願し、「他にも…」と目線でさりげなく扇とキラ、そしてアレルヤの3人を指名する。
 元々、前向きな気持ちではいたのだろう。扇が、静かに首を縦に動かした。
「僕もいいんですか?」と改めて志願するキラに「俺も残る」とアスランが加わる。
「じゃあ俺も!」と身を乗り出すシンには、「それじゃあ護衛が足らなくなる」との理由から赤服の先輩が自粛を促した。
 戸惑いが一番表情に出たのはアレルヤで、「何で僕なんだ?」と、デュオや赤木、斗牙、青山、ティエリア、そして指名したミシェル本人を次々と見比べる。彼としては、場を和ませる話術の持ち主や冷静に聞き手をする分析家の方が適任に見えたのかもしれない。
 何故かデュオが、実に嬉しそうにアレルヤの肩を叩いた。
「こういう場の調整ってのは難易度高いぞ。何しろゲストが最強最悪の茶化し役だ。俺じゃやりすぎになるんだと。なら、どう見たって求められるのは優良なクッションだ。ま、頑張れよ!」
「僕が、クッション…!?」
 特派とZEXISの問答どころか立ちこめる空気までリアルに想像したらしく、アレルヤがげんなりと顔を歪めた。
「向いてるわよ」といぶきが微笑みかけ、「大変そうだな。俺も残ろっか?」と自身を指す赤木の背を押し別行動に移る。
「こちらの事は全て任せろ、アレルヤ」
 班分けに合意したらしいティエリアと刹那、そして異様ににまにまとするエイジに背を叩かれ、アレルヤがミシェル達とその場に残った。
 背後に消える別働隊を一瞥し、静かになったところでスザクが憮然とする。
「大山さん達に通報させるつもりなんですね。僕達ブリタニアの特派がバトルキャンプに向かうって」
「そう思ってくれても構わないわよ」腰に手を当て、気丈な態度でミヅキも応じる。「時には味方で、時には敵。それが特派と私達ZEXISの関係なんだから、仕方がないじゃない。それと
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