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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン40 鉄砲水と七色の宝玉
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ら……割とベタだけど友達、かな。友達のためなら、『これまでにないぐらい本気になる』かも」

 そう言うと、また考え込むオブライエン。だけど、今度の沈黙は短かった。そしてあたりに人がいないことを確認し、僕にあることを頼みはじめた。そして最初は乗り気じゃなかったけど、最終的には僕もその話に頷くことにした。今一つ細かいところを教えてくれてないのはちょっと気に食わなかったけど、オブライエンの作戦というのはこうだ。
 まず、何らかの方法で十代の友達……たとえば翔や剣山、万丈目あたりをこちらに呼び寄せておく。そして探しに来た十代をオブライエンがこいつを返してほしくば俺とデュエルだ、とか何とか言って1対1でデュエルするという、単純だけど効果的だろう作戦だ。ちなみに人質役が僕じゃないのは、僕に別の役割が与えられたからだ。というのも恐らく来るであろう十代以外のメンツがデュエルに手出ししないよう、足止めをする必要があるらしい。
 ……わかりづらいけど、要するにデュエルしてればいいんだろう。難しくない話なら、僕にとっては専門分野だ。

「結構は今日の夜、場所はこの木の下だ。いいな」
「了解。じゃあ、僕はいったん寮に戻るよ。夕飯の支度もしなくちゃだし、あんまり長いと僕を探しに出てきかねないし。口は割らないから安心して」

 一応協力にオーケーを出す条件として、誰にも危害は加えない、その約束だけはきっちりと取り付けておいた。ちょっと警戒しすぎな気もしたけど、どうもこの2年間のことを思うといくら警戒してもし足りない気がしてならないのだ。いや、もちろん僕にだってわかっている。僕もオブライエンもただの学生だ、これまでのセブンスターズや光の結社と同じノリで世の中が動くわけがない。実は、それはそれで寂しいのも否定できないけど。それでもやっぱり、心配なものは心配なのだ。
 さ、約束も取り付けたし、これから少しの間は気を張ってなくちゃね。隠し事なんてちょっとワクワクするけど、それが態度に出て怪しまれたりしたらオブライエンに顔向けできない。そんなのんきなことを考えていた。
 ……そしてその後は、特に変わったことはない。計画通り、日が暮れても姿を見せない翔を心配した十代が、なぜかまだいたヨハンと剣山を連れて外へと探しに行く。僕はというと声をかけられる寸前に2階の窓から飛び出て猛ダッシュで森の中に駆け込み、そこからオブライエンのいる場所とレッド寮との中間地点あたりに先回り。しばらく待っていると、無事に3人がやって来たわけで。

「やっほー」
「清明!ちょうどいい、翔がいなくなっちまったから、一緒に探して……」
「翔だったら、この向こうの崖のあたりにいるよ」
「え?お前、何言って……」

 さすがにこのあたりで、何かがおかしいと気づいたらしい。一斉に警戒する十代たちに、
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