アザーワールド
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の鎖が大量に伸びて巻きつき、変異域の下……元々あった場所へ引きずり込まれて為すすべなく再度封印された。後に残ったのはヨルムンガンドが開けた穴と戦いの痕跡、そして当事者たちの姿だった。
「結論。これで封印は二度と解けなくなる……喜ぶといい」
「もしかして、わざと封印を緩めたのか? その槍を手に入れるために!?」
「曖昧。『事実なるものは存在しない。あるのは解釈だけだ』……どう解釈するか、それは個人の自由」
「解釈ねぇ……。ところでその槍……サバタさんの暗黒剣と同じ性質が宿っている。さしずめ“暗黒槍”とも言うべき代物だね」
「賛同。……こだわりもないので、以後この槍はそう呼ぶ。シャロン・クレケンスルーナ」
「どうして私の名前を知っているのかはさておき、あなたからは妙な安心感がある。……一体何者なの?」
「黙秘。まだ……教えられない。それはジャンゴ、あなたも」
「どういうこと? もしかしてサバタと同じ力が使えることと関係が?」
「指摘。答えは自分で探して。ここではない、他の世界で……」
「他の世界? ……ッ、まさか!!」
この場にいる者全員がその意味を察した瞬間、少女はゼロシフトでジャンゴの下へ高速移動、咄嗟に動けなかった彼を腕に抱えて彼女は一気に跳躍した。シャロンは急いでおてんこを掴んでから彼女を追いかけるが、なんとなく思ったことを叫ぶ。
「男なのにどこかのカメにさらわれるお姫様みたいな扱いされてる!?」
「そんな見当違いのこと言ってる場合じゃないよ!?」
「こら、ジャンゴを放せ! 一体どこに連れて行く気なんだ! それとシャロン、前々から思ってたが、私の扱いがぞんざい過ぎないか!?」
「通告。既に言った、他の世界だと。ジャンゴはもう一つの世界を知らなくてはならない。そして決めなくてはならない……太陽少年としてではなく、一人の人間としての意思を」
「意思……?」
言っている事がわからず首を傾げるジャンゴだが、その間にも少女の魔法術式の構築が進み、そして黒い光を放ちだした。
「くっ、間に合わない! こうなったらジャンゴさん、受け取って! 太陽玉ッ!!」
「ま、またかぁあああああああ!!!!????」
少女のあまりの速さに追いつけず、シャロンは腕を振り上げておてんこを投擲、際どい所でジャンゴはおてんこをキャッチする。だが直後、術式が完成して少女の謎の力が発動した。
「発動、時空転移! 向かう先は……次元世界!!」
刹那、時空の歪みが生じて空間が揺らぎ、そこから凄まじい風圧が吹き荒れて咄嗟にシャロンは身をかがめる。少女はそのままジャンゴ達を連れて暗闇に飛び込み……歪みが消失した時には彼らの姿は世紀末世界から消え去っていた。
「はぁ……
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