アザーワールド
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て防御をはがしていく光景を、ジャンゴ達は目の当たりにした。
「え? 歌……?」
「これは月詠幻歌……シャロンか!」
そして約束の丘に姿を見せた歌い手……シャロンは必死に「ヨルムンガンドのプレッシャーは私が抑えるから、ジャンゴさんは本体に攻撃をお願い!」という意思を込めた視線を送る。
「流石、サバタの心を受け継ぐ少女だ。おかげで攻撃がまともに通るようになった。彼女の期待に応えるぞ、ジャンゴ!」
「わかった! アレやるよ、おてんこさま!」
『太陽ォォォオオオオオ!!!!!』
手を掲げたジャンゴはおてんこと合身、ソルジャンゴへとトランスする。太陽のように燃え輝く姿となったジャンゴは、ヨルムンガンドの眼を目がけてソルプロミネンスの連打を与える。先程と違って防御が効かない事で、かなりのダメージを受けて眼の傷口から白い体液をこぼすヨルムンガンドは、たまらず口を開けて弱点の舌を出す。そこを見逃さず、ジャンゴは渾身の力でソルフレアを何度も何度もぶちかました。かつての戦いの時より格段に威力が上がっている事で、たった一回の弱点露出で致命傷を負ったヨルムンガンドはそのまま倒れた。
「まだ油断するな、ジャンゴ。以前のように不意打ちをされないとは限らない」
「言われなくてもわかってるから、蒸し返さないでよ……」
一瞬の隙を突かれてこの化け物の口に飲み込まれるという嫌な記憶だったので、ジャンゴはげんなりとした様子でおてんこに拒否の意思を伝える。……だが、本当に不意打ちは起きた。ジャンゴではなく……ヨルムンガンドの方に。
GYAAAAAAAAA!!!!!?????
暗黒転移で消えたはずの少女がヨルムンガンドの頭部の上に現れ、いきなりヨルムンガンドに右腕を突き刺したのだ。
「あんこぉぉぉく!!!!」
「暗黒チャージ!? なぜ彼女が……!?」
突然の事態にジャンゴ達が戸惑う中、ヨルムンガンドが悲鳴のような大声を上げて暴れるものの、先程の戦闘で受けた致命傷の影響であまり激しく動けず次第に動きは緩慢になり、そして少女が右腕を引き抜いた時にはライフが尽きたのか、もうほとんど動けなくなっていた。
「通達。試験は合格。おかげで面倒もなく、これを手に入れられた」
引き抜いた少女の右手には、騎兵隊が使っている物みたいに先端が尖った見慣れない槍が握られていた。凛とした存在感と共に凝縮された暗黒の力が込められた槍を見て、おてんこは気付く。その槍からヨルムンガンドの力が発せられている事に。
「まさか……ヨルムンガンドの力を奪ったのか!? 絶対存在の力を、その槍の姿に固定したというのか!?」
「正解。力を失ったヨルムンガンドは、再び封印される事となる」
少女が言った瞬間、ヨルムンガンドの身体に光
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