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リリなのinボクらの太陽サーガ
アザーワールド
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的に解き、螺旋の塔の入り口、約束の丘へと足を踏み入れている。彼らは変異域に入るには月下美人の力が必要な事に気付いたものの、その問題は変異域に通じる扉がなぜか開いていた事と、この事態を起こした容疑者らしき人物が佇んでいた事で気にする必要が無くなっていた。

「おまえは……?」

黒い鎧をまとう少女……それは螺旋の塔から一度姿を消した、あの少女であった。ただならぬ雰囲気が漂う少女は、やがて顔を上げて彼らを見据えた。

「宣告。太陽の戦士ジャンゴ……その血に刻まれた運命は、まだ終わってない」

「?」

「指示。それを乗り越えられるか……力を見せて。暗黒転移!」

「な!?」

見覚えのある転移魔法を使った少女に驚きの声をあげるおてんこ。だがジャンゴも彼女の事を気にしている場合では無かった。何故ならば……おぞましく白い体表、無数の棘が生えた口、見てると嫌悪感を抱く複眼をした巨大な化け物が、雄叫びと共に変異域を突き破って現れたからだ。瞬間、濃密な瘴気とプレッシャーが周囲にまき散らされる。

「ヨルムンガンド! まさか、もう封印が解けてしまったのか!? ……いや違う。封印の鎖はまだ残っている、いましめの槍は刺さったままだ! 力は抑えられたままのようだが、一体どうなっている……!?」

「おてんこさま! 来るよ!」

かつての戦いと同じく、ジャンゴに噛み付いて飲み込まんとするヨルムンガンド。高速の噛み付きを太陽魔法ダッシュで回避したジャンゴは、すぐさま剣を構えてヨルムンガンドの眼に斬りかかる。かつてヴァンパイアの血で復活した影響で一度記憶喪失になった彼だが、今ではほとんどの記憶を取り戻している。そのため、以前ヨルムンガンドと戦った際の戦術や対処法も覚えている。つまり絶対存在といえど、そこまでの脅威にはなり得なかったのだ。……前回と条件が同じであるならば。

「あれ? ダメージがあまり通ってない!?」

以前と異なり、眼に与えたダメージは数字で例えるなら2から4しかないという状況に、ジャンゴは驚きで目を見開く。その後も噛み付きや怪奇光線、ソードやアックスの投擲を避け続け、隙を見つけては剣で斬ったり銃で撃ったりするものの、あまり効果はなかった。そんな時、おてんこが気付く。

「そうか! ヨルムンガンドの放つプレッシャーが奴の身体を膜のように覆って、ジャンゴの攻撃を防いでいるんだ! 前回、攻撃がまともに通っていたのは、サバタがプレッシャーを抑えていたからでもあったんだ!」

「それじゃあどうすればいいの!? このままじゃジリ貧だよ!」

「むぅ……! だが私達にはプレッシャーを抑える力は……!」

La〜♪

唐突にサン・ミゲルの方から聞こえてきた異世界の月下美人の歌声が、ヨルムンガンドのプレッシャーと衝突し
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