暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Extra1:“怪人デジ面相”
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「―――ったく…とりあえずボスを倒すのは、エラーが直ってからにすること。わかったか?」
「うん、わかった。そうするよ」
そう言って振り返り、その場を去ろうとする、白くプニプニしているようなデジモン―――ポヨモン。
この子は、携帯端末(デジヴァイス)のとあるゲームアプリに侵入し、その中のでゲームをプレイし続けていたデジモンだ。
その所為で他の人がプレイしようとすると、ボスのところで強制終了(シャットダウン)してしまっていた。おかげでそのゲームの制作者が上司に怒られ、クビにされそうなんだそうだ。その問題を解決して欲しいと、電脳探偵(サイバースルゥース)に依頼をしてきたのだ。
しかし俺達の必死の説得によって、この子もとりあえずこの場を去ってくれるようなので、これで解決するだろう。
そう思っていると、突然ポヨモンが振り返ってきた。何かあったのだろうか。
「あ、そうだ。その社員さんに伝えてほしいな―――『素敵なゲームをありがとう』って」
「…ッ! うん、わかった。ちゃんと伝えるよ」
「えへへ……じゃあね!」
ポヨモンの願いを、俺が笑顔で了承すると、ポヨモンも笑顔を見せて去っていった。
「…よし、じゃあ戻るか」
「「「うん(おう)」」」
俺が一息入れると、足元にいる相棒達に声をかける。
そして三人をデジヴァイスの中へ入れ、依頼人の携帯端末から現実世界へ戻ってきた。
「―――遅い!! いつまで待たせる気だ!」
「す、すいません…」
「分かってるのか!? これが会社なら、君はクビだぞ! クビ!」
「は、はぁ……」
まぁ確かにそうだろうけどさ……
「まったく、困っている僕を置いてどこかに消えるなんて、君は冷たいな! ………ん?」
一方的に怒られていたが、何かに気づいた依頼人。
手に持っていた携帯端末の画面―――起動したままで、進行していなかったゲームが動き始めたのだ。
「正常に、動いてる! ボスが倒せた流れで、ゲームが進んでいるぞ!」
「ほんとだ、よかったですね」
「あぁ、ありがとう! 君が直してくれたのかは、よく分からないけど…とにかくありがとう!」
先程と打って変わって、何度も頭を下げて感謝の言葉を述べてきた。
そしてその依頼人は、俺と握手をした後「お礼は事務所に送っておくから!」と言い残し、足早に帰っていった。
「クビにならずに済めばいいなぁ、あの人」
『クビ? タクミ、クビって?』
俺の言った言葉が気になったのか、テリアモンがデジヴァイス越しに話しかけてくる。こういうとこも、やっぱり可愛い。でもテリアモンだ
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