暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter2「父を探して 山科悠子の依頼」
Extra1:“怪人デジ面相”
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後
 





「―――ったく…とりあえずボスを倒すのは、エラーが直ってからにすること。わかったか?」

「うん、わかった。そうするよ」


 そう言って振り返り、その場を去ろうとする、白くプニプニしているようなデジモン―――ポヨモン。
 この子は、携帯端末(デジヴァイス)のとあるゲームアプリに侵入し、その中のでゲームをプレイし続けていたデジモンだ。

 その所為で他の人がプレイしようとすると、ボスのところで強制終了(シャットダウン)してしまっていた。おかげでそのゲームの制作者が上司に怒られ、クビにされそうなんだそうだ。その問題を解決して欲しいと、電脳探偵(サイバースルゥース)に依頼をしてきたのだ。

 しかし俺達の必死の説得によって、この子もとりあえずこの場を去ってくれるようなので、これで解決するだろう。
 そう思っていると、突然ポヨモンが振り返ってきた。何かあったのだろうか。


「あ、そうだ。その社員さんに伝えてほしいな―――『素敵なゲームをありがとう』って」

「…ッ! うん、わかった。ちゃんと伝えるよ」

「えへへ……じゃあね!」


 ポヨモンの願いを、俺が笑顔で了承すると、ポヨモンも笑顔を見せて去っていった。


「…よし、じゃあ戻るか」

「「「うん(おう)」」」


 俺が一息入れると、足元にいる相棒達に声をかける。
 そして三人をデジヴァイスの中へ入れ、依頼人の携帯端末から現実世界へ戻ってきた。


「―――遅い!! いつまで待たせる気だ!」

「す、すいません…」

「分かってるのか!? これが会社なら、君はクビだぞ! クビ!」

「は、はぁ……」


 まぁ確かにそうだろうけどさ……


「まったく、困っている僕を置いてどこかに消えるなんて、君は冷たいな! ………ん?」


 一方的に怒られていたが、何かに気づいた依頼人。
 手に持っていた携帯端末の画面―――起動したままで、進行していなかったゲームが動き始めたのだ。


「正常に、動いてる! ボスが倒せた流れで、ゲームが進んでいるぞ!」

「ほんとだ、よかったですね」

「あぁ、ありがとう! 君が直してくれたのかは、よく分からないけど…とにかくありがとう!」


 先程と打って変わって、何度も頭を下げて感謝の言葉を述べてきた。
 そしてその依頼人は、俺と握手をした後「お礼は事務所に送っておくから!」と言い残し、足早に帰っていった。


「クビにならずに済めばいいなぁ、あの人」

『クビ? タクミ、クビって?』


 俺の言った言葉が気になったのか、テリアモンがデジヴァイス越しに話しかけてくる。こういうとこも、やっぱり可愛い。でもテリアモンだ
[8]前話 前書き [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ