暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第217話 打倒スリュム ……トンキーの為に
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のだから。

 ユイは、何かを恐る様な表情で囁いた。

「……私が、アーカイブしているデータによれば、当該クエスト及び、ALOそのものの原形となっている北欧神話には、所謂《最終戦争》も含まれているのです。ヨツンヘイムやニブルヘイムから霜の巨人族が侵攻してくるだけでなく、更にその下層にある《ムスペルヘイム》と言う灼熱の世界から炎の巨人族までもが洗われ、世界樹を全て焼き尽くす……と言う……」

 ユイは言葉を遮った。
 リーファが、その先の言葉を紡ぐ。――あまりに、有名な戦争の名を。

「神々の……黄昏、《神々の黄昏(ラグナロク)》」

 元々リーファは、その話、いや、その手の本が何冊もあるのだ。直葉は昔話、いや神話が好きだったから。

「オレが《レーヴァテイン》を持っているから、な……。それをついでに取り返しにも来そうだ。世界樹を登ろうとするのなら、これが必要だと言える。――黄金の林檎をむざむざ焼き払う前に、な」

 まだ、ストレージ内に収納している白銀の剣を思い描き、リュウキはそう呟いていた。

 その言動は、展開次第で、間違いなく《最終戦争(ラグナロク)》が起こると認めている様に聞こえた。だからこそリーファは、目を見開いて『でもっ!』と叫んだ。

「そんな……、幾らなんでも、ゲームシステムが、自分の管理しているマップをまるごと崩壊させる様なこと、出来るはずが……」

 それも大いに最もな話だ。
 自分自身を傷つける、いや 大きさによっては殺すのにも等しい行為だから。

「そうか。リーファは知らないから。無理もない」

 リュウキは、静かに口を開いた。

「えっ……、どう言う事……?」 

 リュウキは、遠い目をした。
 ヨツンヘイムよりも遥かに上、アルヴヘイムを思い描いたのだろうか? と周囲は思った。


――いや、違う。

 
 そう感じたのは、キリト、そしてアスナとレイナだ。

 そう、4人は見たのだ。

 システムが、自分自身で破壊していく所を。

「……崩壊はするんだ。あの城(・・・)の様に。それが 今回は逆になった、と言う事だ。勝利したら崩壊する、から 敗れたら崩壊する、に」

 リュウキの言葉をすぐに理解する事が出来る者は、キリト、アスナ、レイナ以外では難しいだろう。
 最後の終焉を見届けた者は。

 あの、燃える様な 《朱い空の下》で、主を失った玉座が、崩落していく場面を見た。

 あの場所は、あの男(・・・)が4人の為だけに、用意した場所、だったから。


 ユイ自身も、それは知らない。
 だから、補足を、と言う事で 言葉を繋げた。

「そう、です。お兄さんの言う通りです。オリジナルのカーディナルには、ワールドマップを全て
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