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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第217話 打倒スリュム ……トンキーの為に
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ズが目を瞑りながら、淀みない言葉を繋げた。
 だが、それには不審点が残る。

「で、でも……ただ倒すと言っても、あの大きな邪神モンスターは 猫妖精族(ケットシー)領土の上位パーティの皆さんも何度か倒した事があると聞きましたが……」
「お? そりゃ オレもだ。火妖精族(サラマンダー)の連中は血の気が多いからよぉ?」
 
 シリカとクラインの言葉の通り。
 あの人型邪神が ウルズの言う《霜の巨人族》だろう。そして、もちろんその敵は 不死属性が付いている様な理不尽極まりない敵ではない。ただただ、異常に強い、と言うだけだ。討伐に成功したパーティは多数存在するのだから。

「その通り。……そこは 狡猾なロキです。ただ 倒すだけでは面白くない、興ざめ、と言う理由から、かの者は妖精達には絶対不可能だと考えていた条件『霜の巨人族との一騎打ちに勝利する』と言う条件を、結界解除に付け加えていたのです。無数に存在する妖精達が力を合わせれば……勝利する事も出来ると考えていた為」

 ウルズは、ややため息をしながらそうつぶやいていた。
 北欧神話のロキについては、色々な記述があるが、この世界ででは 大変面倒な性格なカミサマなのだろう事は、この場にいる殆どが納得したが、やっぱり驚いたのはリュウキの事だ。

「ちょっとマテ。リュウキ……いつの間に、単身ヨツンヘイム(ここ)に? そういや、偶然手に入れた、ってだけで、詳しい内容は訊いて無かったよな。……各サーバーに1本しかない武器だし、次アップデートされない限り、手に入れられないから訊いても意味ないって思ってたけど」

 キリトの言葉で皆の視線がリュウキに集まった。
 リュウキは、軽く苦笑いをした後に話しをした。

「……アルゴとだ。以前にヨツンヘイムに来たのは」
「えっ?」

 少し驚いているのはレイナだった。
 アルゴの行動は基本的にソロ、若しくはここにいるメンバーとパーティを組む事が多いのだ。SAO時代から顔馴染みと言う事もあって、アルゴも他のメンバーに情報の売買はしたとしても、一緒にパーティを組む様な事は殆どしてないらしい。……何より、皆の腕を知っているから、一番効率が良いとも思っていた様だ。

「んー……、アルゴには、色々と訊かれてな。主に《眼》の事で。発揮するなら、ヨツンヘイム(ここ)が良いだろう、って事だった」

 リュウキは、軽く深呼吸をした後に、両眼、右手の親指で右眼を、人差し指と中指で左眼押さえ、そして開いた。その眼は、淡い赤色に染まっていた。皆もリュウキとの付き合いは長く、そして《眼》についても皆が知っている事であり、その細かな詳細に関しては、流石に一緒に戦ってきた者達でなければ判らない。
 アルゴは情報屋としての付き合いが圧倒的に多い為、詳細は知らなかっ
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