暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第217話 打倒スリュム ……トンキーの為に
[11/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
少し違和感を感じていた。


――……こんな、タイミングで、誰も手が出せないタイミングを狙って クエストを生成、発生させた、としたら……?


 それが、頭の中を過ぎったのだ。
 今は亡き、SAOの世界。あの世界ででは、カーディナルは 主の命令、ではあるものの、役目を全うした。全てを消滅させた。

 だが、主の意図しない場所で、悪意が働き……、本来では有り得ない場所に、自分のクローンとも言える者が誕生したのだ。

 破壊、消滅した筈なのに……まだ、存在している。


――完全な崩壊を願ったから……?


 突拍子もない事、ではある。だが、否定は出来なかった。



 リュウキが考えていたそんな時だ。
 隣にいたレイナが、リュウキの裾をぎゅっと握った。

「……ALO(ここ)も、大切な、場所……だよ。私、また お家が壊れてしまうの……みたくない」

 その眼には薄らと涙が浮かび、赤みも帯びていた。
 崩落を目の当たりにしたあの時の事を、思い返してしまった様だ。

 崩落よりも……、目の前の愛する人が死んでしまうかもしれない状況だった。その悲しみもまた、彼女の脳裏に蘇ってしまったのだろう。

「――――……ん」

 リュウキは、鼻歌を 軽く口ずさんだ。レイナにだけ、聞こえる大きさで。

「っ……」

 少し、レイナは身体を震わせると、リュウキを見た。
 リュウキは、微笑んで答えた。

「大丈夫。……大丈夫だ。皆がいるんだから」

 リュウキの笑顔に連動した? と思える様なタイミングで、リーファから声が上がった。
 今までは、クラインの『まだ運命の(ひと)とも会えてェのに……』や、リズの『あたしの店……』と言った不安だらけだったのだが、まるで 想いが連動したのか? と思える様なタイミングでリーファが。

「こうなったら、もうやるしかないよ! お兄ちゃんっ!」

 リーファは、そう言うと右手にぶら下げた大きなメダリオンを高くかざした。


 そのメダリオンは、《ウルズ》から授けられた綺麗にカットされた宝石。それは部分的ではあるが、鮮やかな色を、輝きを放っている。その輝きの1つ1つが、ウルズの。……トンキーの仲間達の数。その光が消えたその時が、全てが終わる。

 ウルズの眷族が。トンキーの仲間達が。……そして、アルヴヘイム全体も。

 今は、カット面の六割以上が漆黒の闇に沈んでいる。全てを漆黒に染める訳にはいかない。

「そうだな。元々、今日集まったのは、あの城に殴り込んで、《エクスキャリバー》をゲットする為だったんだからな。全部が降りて、護りが薄いんなら、願ったり叶ったりだ」

 キリトがそう言うと同時に、にやっ と良い笑顔なのか、企み顔なのか判
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ