Chapter 5. 『あんたを倒して俺は帰る』
Episode 28. Duel in the Three Quarters
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けどーでもいいから、好き勝手にやってくれりゃいいんだけどよ。
……で、そのカップル(仮)の二人が見つけたボス部屋に、『アインクラッド解放隊』改め『アインクラッド解放軍』の小部隊が無謀にも突撃してったらしい。
連中は二十五層のフロアボスだった頭が二個付いた巨人にボコられてから低層フロアに引き籠りっぱなしになっていた。以来前線には出てこなくなってたんだが、なんかギルド内部でゴタついた結果で送り込まれた部隊らしかった。千人もいりゃ、揉め事なんざしょっちゅうなんだろうが。幹部には、あのクソ忌々しいトゲ頭がいやがるしな。
んで、そんな引き籠りから抜けたばっかでボス戦経験が乏しい奴らが、しかも十二人ぼっちで勝てるわけもなく、戦線はあっさり崩壊。駆けつけたキリト、アスナ、あとなんか合流したクラインたちによって軍の生き残りは救出され、さらにその場の勢いでキリトがボスを斬っちまったそうだ。しかも、ほぼ独力で。
いくら軍の連中によってある程度ダメージが入ってたとはいえ、ボスってのは援護無しで短時間討伐なんてできる代物じゃねえ。相性とか敵のタイプにもよるけど、それでも単騎特攻でカタが付くなんて聞いたことがない。フィールドボスじゃあるまいし。
それを成功させたのが、奴の持つエクストラスキル――いや、習得者が一人しかいない『ユニークスキル』の一つ、『二刀流』だった。
この世界は、一つ片手武器を装備しちまうと盾以外の武具を装備することはできなくなる。俺の新生斬月のように、右手に刀、左手に短刀なんてスタイルを再現することはできても、その性能が攻撃に反映されることもねえし、システムからイレギュラー判定食らってソードスキルが使えなくなるデメリットがある。
だが、キリトの持つ『二刀流』スキルは、片手剣に限って二振り装備でき、さらにそれに応じた二十連撃にも迫る専用スキルまで習得できるそうだ。しかも、使うにあたってリスクは一切ないっぽい。一番最初に判明した攻防自在のユニークスキル『神聖剣』も、見た限りじゃリスクはなさそうだった。
俺の『縮地』なんか二分ちょいしか持たねえし、一歩ミスったらコケるし、しかもソードスキルと同時に使えねえしで散々だってのに……ズリい奴らだ。
けどまあ、半年経っても俺以外に習得者がいねえってことは、『縮地』も立派なユニークスキルなんだろう。せっかくの俺オンリーのスキルだし、何より条件付きでもやっと瞬歩に近い高速移動ができるようになったんだ。月牙と似た斬撃も撃てるようになったことだし、文句ばっか言ってたらバチが当たっちまいそうだ。
まあ、俺のスキルはさて置いて、だ。そんなワケで、キリトがボスをぶっ倒して七十五層は開放された……が、その後になにやら一悶着あったらしい。
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