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、対空、おまけに秘書艦と忙しいわね、あの子も。で、旗艦は?」
「山城さん」
提督の上げた名前に加賀は、あぁ、と呟いて頷いた。
「"第一艦隊旗艦"ね。なら大丈夫だわ」
「? あ、うん」
加賀の言葉に妙な違和感を覚えた提督だったが、このまま少し会話をしてみようかと思い、持っていた湯飲みを机に戻して口をもう少し動かす事にした。
「それにしても加賀さん、よく秘書艦の代役なんて引き受けたねー?」
「非番だったのよ。それに、特に用事もなかったから」
この鎮守府における初期秘書艦である初霜は、第一艦隊の旗艦を兼任しない。他所では知らず、この提督の鎮守府では、旗艦は旗艦、秘書は秘書と分けている。
普段提督の仕事を補佐する上に、作戦行動にまで出てしまうのはどうだろうか、という提督の考えの下、分業化されたのだ。
その時、提督が意識せず零した『それすぐ赤色にならないか?』という言葉は誰一人として理解できなかったのだが。
「まぁ……暫くの仕事は戦闘機の開発込みだから、加賀さんに頼んだろうねぇ、初霜さんも」
一枚の書類を手に取り、提督はその内容を確かめる。数日前、提督が大淀に渡した戦闘機開発許可申請への大本営からの返事だ。
――好き勝手に、開発は出来ないんだよなぁ。
独断専行などもっての外。何をするにも許可、というのは当たり前の事であるが、提督にとっては今更だ。彼の鎮守府の戦力は、既に異常だ。しかし、それでも現場では足りていない物がある。それを補う為の開発だ。
「戦闘機開発……私にもなにか手伝えればいいけれど」
「いやいや、手伝うも何も、加賀さん達じゃないとさー?」
「龍驤や鳳翔さんに頼んだらどう?」
「二人とも今は海の上じゃないか」
「……そうね」
加賀は提督の手に在る書類を見て、顎に手を当てた。
「提督、資材は?」
「大丈夫だよ。その辺は問題ない」
「どの子を開発したいの?」
「彩雲と烈風はもう少し欲しいかな……使い回しじゃなくて、それぞれ皆に専用として渡せれたら、ベストだと思う。まぁ、流石にそこまでの数は許可されていないけれどね」
基本的に、戦闘機は空母系の艦娘達の間で使い回しされる。強力な戦闘機は建造が困難だ。自然、性能の高い戦闘機は龍驤と鳳翔に回され、彼女達の癖がついてしまう。そうなると、他の空母に渡された際、戦闘機達の機動が僅かだがぶれるのだ。
もっとも、それは提督が山城から報告された話で、実際に目にした訳ではない。ただ、聞いた以上どうにかするのが提督の仕事だ、と彼は大本営に許可を求めたのだ。
それにしても、と提督は手に在った書類を机に戻した。
「このタイミングで初霜さんが加賀さんと代わったって言うのは、多分あれだねぇ
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