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RSリベリオン・セイヴァ―
第十九話「HAWAIIAN・BLUE」
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そんなことありませんよ? 私、こういう静かな和室で寛げる方が好きですから? 和室で騒がしいと、返って嫌なんです」
「そうなんだ?」
確かに、和室は騒ぐような場所じゃない。どちらかというと静かに寛ぐほうだ。現に、弥生はサービスで置かれている番茶を飲みながらゆったりと足を崩して寛いでいた。
「狼さんもご一緒にどうですか? お茶でも……」
「じゃあ……」
俺は、弥生の隣でお茶を飲んだ。正座が苦手だから胡坐をかくしかできないけど……
「ごめん……こういう時は、俺が引っ張るはずなのにさ?」
「お気遣いなんていいですよ? それよりも、何かお話でもしましょ?」
「そうだな……」
今日あったことといったら、海水浴でのハプニングしかない……
「えっと……海水浴?」
「あ、ああ……はい」
やっぱり、弥生は苦笑いしている。
「本当に……ごめんな? 俺、よくドジ踏む上にバカだから」
「そんなことないですよ? 私の方だって、今まで狼君にいっぱい助けられてますし、それにあの時も言いましたけど……私、狼君を信じてますから」
――弥生……
やや、照れくさそうに言う彼女に、俺は心から彼女へ感謝した。そして、そんな彼女の前で自分も恥じらっては無礼だと思い、勇気を振り絞って彼女笑顔で礼を言った。
「ありがとう、弥生ちゃん」
「……」
何故か顔を赤くする弥生。俺も今度からは彼女前で、出来るだけヘタレな態度を取るのは控えることにしよう!
だが……
「……そろそろ、寝ましょうか?」
「あ、うん……そうだね?」
夜の9時半。まだ他の生徒達は起きていると思うが、それでも俺は早く寝ようと思った。弥生と一緒の和室で夜更かしは御法度かと思ったからだ。
「あれ?」
押入れから布団を運ぼうとした俺は何かに気付いた。
「どうしました?」
弥生が歩み寄ってくると、俺は押入れの中を彼女に見せてこう言う。
「……布団が、一人分しかないんだ?」
「え? そんな……」
弥生も押入れを覗かせるが、やはり俺の見間違いではなく、本当に一人分しかない。
「俺、先生達に言ってもう一つもらってくるよ?」
とりあえず、千冬の元へ行くしかない。俺は、玄関で靴を履こうとする。
そんな一方、弥生は必死の決断に迫られる。
――どうしよう? せっかく合宿先でも狼君と一緒のお部屋になれたのに……今度こそ、私も本当の想いと一緒に魅力を彼にアピールしないと!
「あ、あのっ……!」
すると、背後から弥生は狼を引き留めた。
「え、なに?」
「……その、一緒に寝ませんか!?」
「……え、いや同じ部屋だから寝るって言ったらそうだけど……」
「そう言うんじゃなくって……一つの布団で一緒に寝てくださいますか!?」
「……へっ!?」
俺は一気に顔を赤くさせた。それって……添い寝!?

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