第十九話「HAWAIIAN・BLUE」
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べ物にならないくらい豪勢な献立である。
刺身と天ぷらの盛り合わせに伊勢海老が丸ごと……とてもじゃないが、学生にしては贅沢すぎる食べ物ばかりだ」
――IS学園だからか……?
一夏は、食事をしている周囲の生徒達を見た。やはり、全員お喋りばかりで行儀が悪い。ま、イギリス人のセシリアは正座になれてないから足を崩しても違和感は無い。ラウラは物珍しそうに日本食を宥めており、シャルロットは……ああ、間違ってワサビを口に入れたのか?
皮肉にも、箒が一番礼儀正しく食事をしているな……
「さて! 今夜はグイッと行こうぜ?」
さっそく、太智は缶ビールを取り出した。
「お、おい? 千冬公が見てんぞ?」
そんな所を、清二が止めに入る。
「いいって? どうせ、俺達はもう成人なんだし?」
と、缶ビールを豪快と飲む太智に、清二は羨ましそうに見た。
「フッフッフ……飲みたいのか?」
「……」
ゴクリと、唾を飲み込む清二に、太智はもう一本を彼に渡した。
「あざーす!!」
太智も缶を開けて豪快に飲んだ。
「ほれ、狼!」
と、太智は俺にもビールを投げ渡した。
「え、いいの……か?」
「ったりめぇだろ? 飲むなら皆で飲んだ方がいいぜ? それに、俺たちゃ仲間だろ?」
「けど……俺、あんまり仲間って程、良い奴じゃないし」
現に今日、悪気がなかったとはいえ弥生にあんなことしてしまったのだ……
まだ正直、俺は変わり者だからよく誤解を受けることが多い。しかし、そんな二人だって多少変わったところがあるから、逆に気が合うのかな?
「……ま、俺だって学生の頃はスンゲ―痛い奴だったぜ? それでも、いざ社会でりゃ段々と丸くなっていくもんよ? そこで、初めてダチの大切さってのが身に染みるものさ?」
「おれも、こう見えて学生時代はそうだったよ? あの時、よくケンカして泣いたもんさ? だから、今になって仲間の大切さが改めてわかって悔やむものだよ?」
太智と清二の台詞はまさに今の俺と被った。俺も、学生時代は同じようか経験をもっている。
――仲間、か……
俺は、太智と清二のそんな言葉に慰められたかのように思え、フッと微笑んで缶ビールを開ける。
「あ! 仲間なら俺にもくださいよ?」
と、一夏が割りこんできた。
「ダーメ? 未成年は、御法度よ?」
酔ってきたのか、太智は次第にふざけ始めた。まるで、蒼真のように……
「さーて、寝ますか?」
食事をどうにか済まして、俺は与えられた部屋へ向かった。
長い廊下を歩き、書かれた札を探しながら目付けた部屋は、一番隅っこにある少々狭いように見える部屋であった。
――そういや、相部屋の人って誰だろ?
そういえば、グループていっても適当に決められたからな? いったい誰と相部屋何だろう?
「お邪魔しまーす」
ま、どうせ俺と寝
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