第十九話「HAWAIIAN・BLUE」
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が、後に彼女を刺激させてしまうのだ。舞香は、途端に逃げるはずの咆哮とは違う逆方向へ向かって飛んで行く、そこは白いISが一夏達と格闘する空域であった。
「何やってんだ!? 早くここから逃げるんだ!!」
「うるさい! アンタなんかよりも、アタシが一番上手く操縦できるってことを見せてやるんだから!!」
へんな見栄を張り。彼女は一般的なIS打鉄で白いISの元へ向かった。
――下らねぇ見え張りやがって!
そんな彼女の後を追いかける俺は、彼女が白いISへスナイパーライフルを向けるところまで追いつく。
「やめろ! 下手に攻撃するな!!」
「……!」
しかし、舞香は敵に照準を定めこちらへ突っ込む白いISに対し引金を引いた。
「……!?」
しかし、それを察知した白いISは、射撃は明確であるが攻めの甘い弾幕をかわすと、再びあの雨のような弾幕を振らせた。
「危ない!」
俺は、舞香の前に出て、降り注ぐ弾幕の雨を両手の零で弾き返す。だが、激しすぎる弾幕ゆえに零の刃をすり抜けて、数発が俺の足や方を掠めていく。
「くそ……!」
それでも、俺はどうにか後ろの舞香の楯になることができた。だが、弾幕が止むと共に俺の胸に何かの激痛が走った。
「ぐぅ……!?」
口の端から血が流れている。俺は、ゆっくりと胸板を見下ろした。そこには、打鉄のブレードの先が俺の胸を貫いている。
――嘘だろ……?
俺は、認めたくない事実を突き付けられ、そして徐々に意識が遠のいていった……
「狼……君?」
そして、そんな俺の後から来た弥生は、この一部始終を見てしまった。
*
二日前……
青い海に青い空、そして波の音が響き渡る白砂のビーチ……
「いよっしゃあぁ〜!」
バスを載せた俺達一学年は、南の楽園こと臨海学校へ向かった。そこでは、一年生たちがそれぞれ親睦を深めるために行う合宿イベントである。もちろん、海上を利用したIS訓練など行う予定も兼ねており、臨海は授業の一環として成り立っていた。
「いやぁ〜ついにこの時が来たな? 今年は自慢の一眼レフでガッポガッポ稼いだる!」
さっきから異様にハイテンションなのは太智である。彼は早速ビーチで眩しい光景を次々にシャッターへ収めた。
「ラルフがいないと寂しいなぁ〜……?」
水着に着替えたシャルロットは、昨晩急に任務が入って大変喜んでいるラルフのことを思いだした。何しろ、彼にとってRSで上空を駆けてISとドッグファイトするのが何よりも素晴らしい娯楽と受け止めているのだ。悪く言うなら戦闘狂である。
「マスターに……この水着を見てもらいたかったな?」
ラウラは、自分が着ている黒いヒラヒラビキニの身形を見下ろした。
マスターこと、ヴォルフもまた緊急任務が割りこんできた故、今日の臨海学校には顔を出していない。
「一夏はどこぉ〜?
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