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SAO−銀ノ月−
第九十六話
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が。いきなり二人きりは難易度が高いかと、一緒にログインしていたユウキも同じパーティーで遊んでいた、と思っていた。

 ……のだが、ユウキは目の前にいて。そう聞かれるとユウキは、ちょっとばつの悪そうな表情になり、言葉を探すようにこちらから目をそらした。

「二人きりの方がルクスにいいかなー……って、帰って来ちゃった!」

「大丈夫。あの子にはそれぐらいがちょうどいいわよ」

 アスナには内緒にしてね――と頼み込んでくるユウキを、リズがよしよしと撫でながらガッツポーズを取る。どうやら今頃、ルクスはキリトと、二人きりでクエストに行っているらしく……恥ずかしくなって、逃げ出していなければいいのだが。

「ユウキの髪サラサラねぇ……もうちょっと、もうちょっと撫でさせ……」

「そ、それよりさ!」

 リズにいいように髪の毛を撫でられていたユウキだったが、いい加減に身の危険を感じたのか、そそくさとその場を離れていく。そして何をするかと思えば、ボーッとその光景を見ていた俺の目の前に、あるメッセージを表示させていた。

 デュエル申請――ユウキから一対一の決闘の申し出だった。

「どっちもOSS覚えたみたいだし、ボクと勝負だ!」

「……よし」

 初めて会った水着コンテストにおいて、リーファとルクスの二人を倒したという――決着には色々あったらしいが――腕前。それは一緒にクエストに行った際にも遺憾なく発揮されているが、やはり手合わせをしなくては分からないこともある。ユウキからの願ったり叶ったりの申し出に、俺はデュエル申請メッセージに肯定の意を示す。

「ほらリズ、離れてろ」

「分かってるわよ。頑張んなさいよね。ユウキも、こいつメチャクチャにしてもいいから!」

 どっちを応援してるんだ――という俺の文句に対して、こちらの背中をダメージが出ない具合の強さで叩きながら、リズが見学に相応しい距離へと飛んでいく。それと同時にデュエルの開始までのカウントが開始され、俺は日本刀《銀ノ月》の柄に手をかける。

「カタナ、抜かないの?」

「ああ。これでいい」

 日光に照らされた白銀の刀身が煌めく、ユウキのイメージカラーと同じ紫色の、タルケンが作り出した片手剣。アスナが使う細剣ほどに細く、鋭くカスタマイズしたソレを抜き放ちながら、ユウキはこちらにそう問いかける。

 その親切心をありがたく受け取りながら、俺は刀身を鞘から出さずに直立する。同じレプラコーンとして、ユウキのあのカスタマイズが施された剣について、タルケンに聞いてみたことがある。

 ――曰く、あれほどまでに鋭くしなくては、ユウキの動きと反応速度にはついて行けないという。そのタルケンの言葉が嘘ではないと証明するように、デュエルまでのカウントが0になった
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