第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第41話 善悪の彼岸
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」プールだ。曹操が血涙を
流しながら、いっしょにプールに行こう。とかいうから、ついOKしてしまった。その曹操は、盛大に鼻血を吹いて倒れていた。イケメンで実力も人望もあるのに残念なやつ。
うん。ここは禍の団アジトなのだ。
「やっぱりなんでアーシアがいるの?」
あれー、おかしいわー。おかしいのボクだけなの? みんな平然としているし、アーシアとジャンヌが仲良さそうにだべっているけれど。
「驚いたようだな。実は、アーシアは少し前から俺たち英雄派に所属していたんだ。で、今日がそのお披露目というわけだ――決してはやての水着が見たかったわけじゃないぞ」
「はい! ご紹介にあずかりましたアーシア・アルジェントです。趣味は、はやてさんウォッチ。特技は、なぜなにはやてさん。将来の夢ははやてさんと結ばれることです」
「なにぃ!? 将来はやてとだと? 俺のライバルというわけか!!」
なんかぎゃーぎゃーいっている。驚きすぎてもうなんかどうでもよくなってきた。ヴォルケンズがなんかこそこそやっているな。ていうのには気づいていた。こんなサプライズだとはね。
「おほん。では改めて、アーシア・アルジェントを英雄派に迎え入れる!」
ぱちぱちと拍手が送られる。前向きに考えよう。アーシアと敵対する確率が減った。喜ばしことじゃないか。
このあとは、普通? にプールで遊んだ。紫色の空も慣れてくればなかなか乙なものである。ザフィーラは、泳ぐのがだめだった。やっぱ、犬だからなのか。その割には、ムキムキの身体にブーメランパンツとか。ヘラクレスと張り合っていて正直ウザかった。
アーシアと曹操が喧嘩しながら猛アプローチをかけてきた。だんだん慣れてきた自分が悲しい。とまれ、楽しかったなあ。こんな日常がずっと続いてほしい……そう考えると、胸の中がチクりと痛んだ。
……あれ、ボク、アーシアと風呂に入り損じゃね?
◆
「七条大槍無音拳」
ポッケに手を入れていた一誠先輩が、技名を叫ぶと私は吹っ飛ばされた。とっさに受け身をとるが、あまりの衝撃に気を失いかける。
「そこまで! 子猫さん、戦闘不能!」
「子猫、大丈夫か?」
心配そうな顔をしながら、こちらに手を出す一誠先輩。その手をつかんで、ふらつく足に喝を入れて立ち上がる。子猫と呼ばれて一瞬胸が高鳴った。
コカビエルのとき、駒王協定襲撃のときと一誠先輩には助けられてばかりだ。だから、親しみを込めて名前を呼んでもらうように頼んだ。そう、それだけだ。
安堵したように微笑を浮かべた一誠先輩の顔がなぜかまぶしくて、顔を背けながら、小声で大丈夫ですといった。
「一誠は、本当に強いわね。タイマンで子猫と祐斗に勝っちゃうし。遠距離戦でも、私と朱乃じゃ敵わないし。主とし
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