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第三章

「楽器とかなおしたらね」
「もうこれでね」
「全部終わりよね」
「それでもうフリーよね」
「だからね。どうするの?」 
 その娘はまた陽子達に話した。
「これからだけれど」
「ううん、どうしよう」
「それじゃあこれから」
「何する?」
「まず食べる?」
 一人がこう言った。
「喫茶店なり出店でね」
「あとお握りのお店もあったわね」
「一年のクラスでね」
「カレーもあったし」
 文化祭らしく色々なものがあった。
「適当に食べ歩くのもいいわね」
「それじゃあ制服に着替えて適当にね」
「あちこち回ろう」
「そうしよう」
 そうした話になったのであった。そしてだ。
 陽子達は制服に着替えて楽器を部室になおしてだ。自由になってからそのうえで学校を巡ることにした。まず行った場所は。
「たこ焼きにいか焼き」
「どっちも最高ね」
「そうよね」
 まずはその店に行って買ってだ。歩きながらそれぞれ食べていた。横になって歩く彼女達の周りを制服の男女が行き来している。
「どっちも美味しいよね」
「こうしたお祭りってやっぱりこういうのよね」
「そうそう、たこ焼きとかいか焼きとか」
「最初はそれで」
「次はね」
 その次は何かというのであった。
「今度はフランクフルトにしよう」
「お好み焼きもよくない?」
「カレーも外せないわよ」
 食べ物が次々と挙げられていく。
「お握りもね」
「喫茶店でコーヒー飲もう」
「デザートはアイスクリームにしない?」
「何か食べるの一杯ね」
「太らないかな」
 賑やかかつ楽しくだ、文化祭を過ごしていた。
 そしてここでだ。一人が言った。
「ねえ」
「ねえって?」
「何かあったの?」
「お化け屋敷行かない?」
 こう仲間達に言うのであった。
「今からね」
「お化け屋敷?」
「そこに?」
「そう、そこ」
 まさにそこにだというのだ。
「文化祭の定番だけれどどう?」
「そうね。いいんじゃない?」
「ありきたりだけれどありきたりが面白いしね」
「それじゃあね」
 殆どの娘は笑顔でそれがいいとした。しかしだ。
 陽子はお化け屋敷と聞いてだ。急にだった。
 顔を真っ青にさせてだ。震える感じになる。それで仲間達に言うのであった。
「行くの?」
「うん、行かない?」
「お化け屋敷にね」
 仲間達は平気な顔でその陽子に述べる。
「これから皆でね」
「それでどう?」
「う、うん」
 その青い顔でだ。答える陽子だった。

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