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浪速のど根性
11部分:第十一章
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た。
「俺日本一になったで」
『何や、そんなことかいな』
「そんなこと!?」
『狙うんは世界一やろが』
 実にとんでもない母親の返事だった。
『日本一位で何威張ってるんや』
「あのな、お袋」
 母親のそのあまりもの言葉に守も唖然としていた。
「俺は日本一になってんぞ、チャンプになってんぞ」
『そやから日本一やろ』
「そや」
 これはどうしようもない事実である。
「だから言うてるんやろが」
『だからそれがどないしてん』
「どないしたって」
「何かな、こいつのお袋さんってな」
「そやな」
 傍から聞いていた部員達も言う。
「凄いな」
「大物どころやないで」
「普通日本一になったらな」
「しかも自分の息子がや」
 口々に言っていく。
「そうなったら普通はな」
「大騒ぎやろに」
「世界一になってから来いか」
「凄いわ」
 部員達も驚くばかりだった。彼の母親の態度に。

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