第二話
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「全員を乗せられる車なのか?」
毒島の言葉に鞠川先生は固まる。どうやら全員を乗せられるサイズの車ではなかったようだ。それで毒島は、部活遠征用のマイクロバスで脱出する事を提案。まだ学校の駐車場に残っている。これで学校を脱出する足は確保した。
そして家族の安否を確認した後に、自衛隊や警察が準備した避難所に行くことを提案。妥当な真面な案であるため、俺は特に否定もしなかった。
「田中先輩は、どうしますか?」
「俺か。家族は床主にいなし、お前達の方針にとやかく指図はしないぜ」
この世界の家族は、親父やお袋も他県に出張してるので家族を探す事はない。というか、この騒ぎで生きているかどうかも怪しいものだしな。
ーーー。
それからテレビのニュースを見て現在、外で起きている状況を確認した。何処もかしこも無残なニュースを流れている。だが、この<奴ら>の騒動は床主だけではなく、日本全国……いや、全世界に拡散していた。
「それだけかよ……どうして、それだけなんだよ!」
これに小室が怒りを露わにする。
「パニックを恐れてるのよ」
「いまさら?」
「いまさらだからこそよ!」
高城はどうやら事の深刻さを理解しているようだ。
「普段は平和だった日本で、いきなりこんなホラー映画よろしくな展開の事件が起きてるんだ。そうなれば誰もは恐怖する。そして恐怖は人々に拡散して真面な思考が出来なくなり、最後は恐怖が全体に回って秩序が崩壊する。そんな状況で戦えるか?」
俺が最後を締めくくるように言うと誰もが言葉が詰まる。
「朝ネットを除いた時はいつも通りだったのに」
「信じない、信じられない……たった数時間で世界がこんなになるなんて」
信じたくもない気持ちは理解は出来るが、これが現実。そして世界の秩序が崩壊した今が現在だ。
「ね、そうでしょう?絶対に大丈夫な場所、有るわよね?きっと今すぐいつもどおりに」
「なるわけないし」
宮本の言葉を否定する高城。
「そんな言い方することないだろ」
「パンデミックなのよ?仕方ないじゃない!!」
「パンデミック……」
校医の鞠川先生は気がつくが、他の皆は首を傾げる。
「感染爆発の事だ。わかりやすく言えばインフルエンザみたいなもんだ」
「そうよ。インフルエンザをなめちゃいけないのは分かってるわよね。スペイン風邪なんて、感染者が六億人以上で死者は5000万人にも及んだのよ!」
「それより14世紀の黒死病に近いかも」
「その時は、ヨーロッパの三分の一は死んだわ」
「どうやって病気の流行が終わったんだ?」
大抵の場合は感染する患者がいなければそこで終わりだ。感染すべき人間がいなければ、そ
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