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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter T:to the beginning
第01話:邂逅
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た8人が出てくる。全員が気絶しているが、重症の者はいなかった。

「面白い手品を使うのね。貴方の影の中に違う色の魂が見えるわ。彼らの仕業かしら?」
「ほう...魂の色を見る事が出来るのか。面白い。」

 そして、フレイヤは8人にはそこまで気を止めず、ラインハルトの影を興味深そうに見ていた。8人はフレイヤの部屋の前に控えていた者達が運んでいき、その場にはフレイヤとラインハルトだけが残される。

「まあ良いわ。"話"も兼ねて一杯いかがかしら?」

 そして、フレイヤはテーブルの上に置いてある葡萄酒を掲げ、流し目でラインハルトへ問いかける。その全ての所作が一つの美として完成されており、蠱惑的な美しさを放っていた。
 それもその筈である。何せ彼女は今、全力で『魅了』を使っているのだから。
 軽く使っただけで冒険者はおろか、モンスター、果てには神まで虜にするそれを全力で使う。それほどまでに彼女は本気だった。しかし――

「ふむ。彼らを送り届けたら直ぐに失礼しようと思っていたのだが...まあ良い。これもまた一興。お供させていただこう。」
「っ…そう、良かったわ。」

 ラインハルトには一切『魅了』が効いていなかった。一瞬、フレイヤの美の女神としてのプライドが刺激されたが直ぐにこれも収まった。自分の全力の『魅了』が効かない、という事も余計にラインハルトが欲しいという感情を昂らせるだけだった。
 そして、フレイヤの座ろうとする椅子を引き、さり気なくエスコートをするラインハルト。普段オッタルが見せない様な紳士としての淑女の扱い方に、更にそれが高まる。
 だが、フレイヤはそれを表情には出さず、『魅了』全開の笑顔でラインハルトへお礼を述べた。そして、フレイヤが用意したものではあるが、葡萄酒のコルクを外し、フレイヤのグラスへと注ぐラインハルト。その所作は美の女神たる彼女からしてみても洗練された美しいものだった。王族や高位の貴族ですらここまでの風格は出せないであろうと言えるレベル。そうフレイヤは判断した。

「「乾杯」」

 そして、互いに葡萄酒を飲む。

「ふむ、実に良い酒だ。」
「あら、貴方葡萄酒の味も分かるの?」
「無論だ。これ程の葡萄酒には中々お目にかかれまい」

 そんなラインハルトを他所に、フレイヤは頭の中で妄想に耽る。この『黄金の獣』を側に置いて、今この時のような毎日を過ごせたらどれほど素晴らしい気分を味わえるだろうか、と。

「それで、"話"というからには何か話があるのだろう?」
「もう少しこのひと時の余韻を味わっても良いと思うのだけれど?」
「普通ならば"洗脳紛い"の事をしようとしている者と長居はしたくないと考えると思うのだが?」

 その瞬間、フレイヤの笑みが凍った。『魅了』が効かないどころか、そ
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