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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter T:to the beginning
第01話:邂逅
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首だぞ?何の溜めもなく振るわれただけの剣では傷すらつくまい。

「ふむ。どうしたのかね?君はオラリオ最強の冒険者なのだろう?この程度かね」
「面白い...」

 俺の挑発に対してオッタルが口元を歪ませた。その目にはありありと戦意が宿っており、剣を構えたその姿からは本気である事が伺える。流石にレベル7の力を"全力"で振るったら被害は大きいだろうが、バベルが崩れない程度で"本気"を出すのだろう。
 そして、俺も内心ではとてもワクワクしている。何せ今から獣殿の力を試せるのだ。それもオラリオ最強を相手に。どの程度の力ならば何層まで行けるのかを確認する意味合いもあるが単に獣殿に引っ張られて戦闘好きになったかもしれない。
 だが、そんな事今はどうでも良い。何せ――

 ――今はただ、無性に目の前の男をねじ伏せたくて仕方がないのだ。

「さあ、来ると良い。卿の力を見せてみよ」
「うおおォォッッ!!!!」

 オッタルが剣を振る。先程とは全く違う別次元の速度、パワー、そして何より理想的なまでの剣の振り方。これがオラリオ最強。レベル7の実力。だが――

「遅いな」

 獣殿の動体視力を以てすればその程度のスピードなどは遅く見える。せめてシュライバーに迫るスピードを出さねば届きもしない。

「それに軽い」

 そして、軽く右手の甲だけで弾いて見せる。パワーもマキナ卿と比べるまでもない。
 あまりの衝撃にのけぞったオッタルだったが、のけぞりながら剣を振って来る。物理法則を軽く無視しそうな動きだが、こちとら物理法則なんぞとうの昔に捨てた集団を率いていた獣殿の肉体だ。その程度驚くまでも無い。

「そしてまだ稚拙だ」

 これがザミエルならばまるで詰将棋の様に合理的な攻撃を繰り出してくるのだろう。だが、オッタルからはそのような策略めいた意思を感じない。ただ圧倒的な才能と努力で培った実力で敵を真正面から斬り捨ててきたのだろう。ダンジョンのモンスター相手ならば十分だろうが対人戦では格上には全く通じない。

「アレン!」
「隙あり!」

 そして、オッタルが呼ぶと同時に後ろから殺気が迸る。そして首へ向かって剣が振るわれる。

「そんなものは無い」
「何ぃッ!?」

 無論、オッタル以外の者がいたのも気づいている。背を向けたまま後ろに腕を振るい、頭を掴んで投げ飛ばす。

「危ない!?」

 そして、バベルから危うく堕ちていく所だった者を更に出てきた2人が捕まえる。それによって何とか落下を免れたようだが、不意打ちする気であったであろう2人は居場所が露見してしまう。そして、更に出てきた4人がラインハルトの首、心臓、両脇腹へと各々の武器を突き立てる。だが――

「成程、人体の急所を狙うか。」

 皮膚どころか身
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