Chapter T:to the beginning
第01話:邂逅
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「…ここは――そうか、もう転生後の世界か」
意識が戻ると、視界には先程までいた空間では無く青空が広がっていた。
「そもそも何故落下している...?」
しかも、空中というおまけつき。通りで視界が全て空だったわけだ。普通こういうのは落とし穴コースの辿る道だと思うのだが。もしくは異世界に呼ばれた問題児。少なくとも俺の様なまともな一般人は普通に転生させるべきだろうに。
え?俺がまともじゃない?そんなバカな。ノルマクリアの為に必死な逸般人(誤字に非ず)だろ?
…あれ、今なんか字が違ったような...
「なるほど、既に"この肉体"であったか」
納得した。確かに『ラインハルト・ハイドリヒ』になっていれば逸般人だ。通りで口調が変わっているし高所からの落下でも全然苦にもならない訳だ。
「そしてあれがバベルか...つまり、ここはオラリオの上空か。」
下に広がる広大な街の中央にそびえ立つ巨大な建造物。あれがバベルだろう。ダンジョンの真上に転生とはまた粋な事を。
というか、流石にこの落下速度はマズイか?
獣殿の肉体強度の物体が高速で地面に落下した時の被害を考えるとかなり大きい筈。つまり、このまま落ちればダンジョン攻略に乗りだそうとしている冒険者たちに被害が出るかもしれない。俺のノルマはダンジョン攻略だ。つまり、冒険者たちは皆俺の仲間に成り得る存在だ。もしかしたら将来一級になっていた奴が墜落の衝撃で死ぬかもしれない。
地上まで残り数百メートル。どうにかせねば...
ちょっと待てよ?
かの獣殿は主人公との最終決戦の際に空に展開された城から降りてきた。その時、城の一部を使って階段の様な足場を作っていた筈だ。
今の俺はハイドリヒ卿の肉体だ。しかも聖遺物もある。永劫破壊(エイヴィヒカイト)も使える筈。つまり、足場だって作れる筈だ。
「(…出来た!)」
空中に一つ、足場を作る事に成功する。
そこに着地しようとするが、落下のエネルギーが大きすぎたのか、はたまた足場が脆過ぎたのか。足場が崩れすぐさま再び落下が始まる。だが、明らかに先程の勢いはない。
更に足場を作っていき、4つ目の足場で完全に落下のエネルギーを殺し、5枚目の足場に着地した。
「ふむ。やろうと思えばどうにかなるものだな。」
さて、取り敢えずいつまでも空に突っ立てても仕方ないし、バベルにも降りるか。このまま街中に降りたら絶対に目立つし。
今立っている足場から繋がるようにバベルの頂上に向けて足場を作り、螺旋階段を作りだす。そして数分後には無事にバベルの頂上に降り立つことに成功する。
とは言っても、流石バベルと呼ばれる事だけのことはある。オラリオはバベル以外の高い建物が少なため、空にいたのと殆ど変わらない。こ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ