別世界
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かし、かぶき町と違うのは、ターミナルのようなビルがあちらこちらに建っていることだった。
人混みをやっとのことで出ると、そこには駅があった。
しかし、肝心の旦那がいない。後から来た面々も、「あれ?」「銀ちゃんどこいったアル?」「チッ、あいつ勝手な真似しやがって…」と感想を口にしていた。
「ごめんお前ら、お待たせー!」
と、戻ってきた旦那が手に持っていたのは、チョコレートパフェ。
「旦那、何呑気に買い物してるんでさぁ。」
「いやあのさ?このパフェが、世界のデザートコンテストで金賞を取ったとか書いてあったからさ?買っちゃった〜♪」
「買っちゃった〜♪じゃねェェェェェェェェェェェェェェェ!」
私は叫び、銀さんをぶっ飛ばす。
「恋奈、ナイスショットアル!」
「ありがと〜」
と神楽ちゃんと二人でハイタッチをする。他のメンバーは「はぁ…」的な目で私たちを見つめているけど、そんなのは気にしない。
神楽ちゃんと二人でキャッキャと盛り上がっていると、不意に総悟が近くに来た。
「おい、クソサド」神楽ちゃんがドスの効いた声で言う。「私の恋奈に触ったら許さないアルヨ!」
「は?」と総悟は軽く言う。「恋奈は誰のものでもないでさぁ。それと、変な気持ちで近づいたわけじゃないでさぁ。話があったんでぃ。」
そう言って、私の方を見ると、「てことで恋奈、ちょっとこっちに」と手招きする。
「変なことしたら私が許さないヨロシ!覚悟しておくことネ!」と大声で言いまくる神楽ちゃんをなだめてから、私は総悟の方へと歩いていった。
総悟の近くにはすでにザキ、近藤さん、土方さんが集まっていた。
「んで?何、話って?」
と私が聞くと、総悟は話し出した。
「俺たちが来ているこの世界、どこか分かったような気がしまさぁ。」
思いがけない総悟の言葉に、私たちはつい身を乗り出した。
「そ、総悟、ここはどこなんだ?」
「名探偵コナンの世界でさぁ。」
め…名探偵コナン?
「トリップ装置は、漫画とかアニメのグッズとかを入れると作動するシステムだった。あの宴会の時、唯一近くにあった漫画やアニメのグッズは?」
私は息を吐き出すように答えた。「総悟が読んでた名探偵コナン…!」
総悟が頷く。「そうでさぁ。それが何らかの原因で、トリップ装置に入っちゃったんでさぁ。」
「だが」土方さんが口を開く。「まだ、それと決まったわけじゃねえだろ?」
総悟が首を横に振る。「いいや、今、それを見つけました。」
と言って総悟が指差したのは、でかでかと書かれた駅名。
そこには「米花駅」の文字があった。
コナンside
「蘭ねーちゃん!ボクちょっと出かけてくる!」
「気をつけて行くのよー!」
「はーい!」
と蘭に挨拶をしてから、スケボーに乗って走り出す。
そして灰原に電話をかける。
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