第8話 想い
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る人間が見ればバレる。
だが、いつの間にか右手を握られ、左手はこの男の脇。
バレませんように...そんな願掛けをして、マーケットに向かうのであった。
市場に着くと、中層でありながら人でごった返している。
まだ28層なのだから...当たり前か。
見れば、顧客の姿がチラホラ...顔見せはしてないため、バレないだろうが。商会のマントを着ている時点でバレてるかもしれない。
珍しく横の男は武器屋防具屋装飾屋に目もくれず、食材選びに没頭している。野菜を購入した後、肉屋に向けて歩みを進めるが、その足取りが若干装飾屋に向いている。
この男...と思ったが、店につくと、確かに、可愛い...キレイ...高い...と来た。
ボーッと見ていると、1組のイヤリング型の装飾品を見つけた。得に特殊効果もない。俊敏値が少し上がる程度の物だが、まるでダイヤでも嵌め込んだかのような綺麗な石。その周りはシンプルに銀と細かい装飾が施されている。
セット3万コル...。
意外と高かった。確かに商会トップたるオレっちと、ミネ。稼ぎは多いし、プレイヤーホームを買っても余る程ある。ただ、そこまで買う必要のない装飾品しかも高いと来た。これでは、誰も買わないだろう。
案の定。すぐにその装飾屋を出て肉屋に向かう。そこで事務長のケビンが通りかかる。
サッと顔を伏せ、すぐに通り過ぎていく。
今度こそ肉屋に向かおうとしたが...。
「あれ?ミネか?久しぶりだな。最近見ないから心配したぜ?」
「ん?あぁ誰かと思えばキリトか。こりゃまたなんでこの階層に?」
「あぁ、お前の所で情報収集。流石にアルゴに毎回頼むのもあれだしな。これからはそっちも使うことにした。」
「なるほど...。あれ?お前誰と腕組んでんだ?」
「あ?あぁ...。おい。別に知り合いだからいいだろう。人見知りでもあるまいし。」
チョチョイとつつかれてミネの背中から追い出される。
「ん?あぁお前彼女?嫁?お前...呑気にィィッッ...ア...ア...アルゴ?」
「んあぁ。少し訳ありだ。」
「あのアルゴがねぇ...。ミネも、意外だったよ。そのカップリング」
「やれやれ...何誤解してやがる」
「誤解しようがないだろ?ま、お幸せに〜。俺は退散するわ」
カップル...。少し、妄想してしまったが、許して欲しい。オレっちだって年若い女だ。それくらい...。でもキー坊がそう見るということは...周りから...。
そこからは、頭が混乱しててあまり覚えていない。ただ、ミネの家の前まできて、声を掛けられ正気に戻る。
「流石に入りずらい。ほら、あまり見れるもんじゃないが...な。」
峯の家は現実世界のアパ
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