第28話 アルエットが往く
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ルインは時折、エックスと連絡を取り合いながら体が鈍らないようにゼロとトレーニングルームでトレーニングをする。
時折、レジスタンスベースに近づいてくるネオ・アルカディアのメカニロイドを迎撃するなど、比較的穏やかな日常を過ごしていた。
「今日はちょっと疲れたな…飴でも食べよ」
この前、ネオ・アルカディアの居住区で購入した飴玉の入った容器に手を突っ込み、飴玉を包んでいるセロハンを剥がして、中身の飴玉を口の中に放り込んだ。
「あ、ミルク味だ。ラッキー♪」
飴玉の中でも一番好んでいる味が当たり、満面の笑みを浮かべるルイン。
因みにゼロはレモン、シエルは苺が好きらしい。
口の中で飴玉を転がしていると、少し解れたぬいぐるみを持ったアルエットが部屋に入ってきた。
「ルインお姉ちゃん、この子直して……何食べてるの?」
「ん?ああ、アルエットちゃん。飴玉だよ飴玉。」
「飴玉?エネルゲン水晶みたいなお菓子?」
「まあ、見た目は微妙に似てるよね。もしかしてアルエットちゃん…飴を食べたいの?」
「うん!」
ルインの問いに満面の笑顔で返すアルエット。
アルエットに飴玉を食べさせてやりたいのは山々なのだが…。
「ねえ、アルエットちゃん。アルエットちゃんには味覚と食べ物の分解機能がないから食べられないでしょ?」
今のレプリロイドは味覚と食べ物の分解機能を失っているので、もしアルエットに食べさせたりしたら、もしかしたら何か異常が起きるのではないかと思ってしまう。
もしアルエットに何かあったら彼女を妹のように可愛がっているシエルが烈火の如く怒るだろう。
そう考えたらかなり恐ろしく感じたルインはアルエットに絶対に止めるように言おうとした時、アルエットが口を開いた。
「私ね、シエルお姉ちゃんに食べ物を食べられるようにしてもらったんだよ。」
「へ?そうなの?」
「うん、味だって分かるんだから!!」
そう言えば最近はレジスタンスのみんながシエルの所に行くのをよく見かけたが、そういうことだったのか。
「最近エネルギーの研究も完成してきたから余裕が出来たんだね。それじゃあ、はいこれ」
セロハンを剥がして、アルエットに差し出す。
差し出した飴玉は苺味で、アルエットは瞳を輝かせながら初めての飴玉を口に運んだ。
飴玉を口の中で転がしながら、満面の笑みを浮かべる。
「これが“甘い”って言うんだ〜。」
「そうだよ、ところでアルエットちゃんは何しに私の部屋に来たの?」
「あ、そうだった…ルインお姉ちゃん、この子少し解れちゃったの。直してくれる?シエルお姉ちゃん…研究で忙しくて…」
「ああ、なるほどね…これくらいなら直ぐに直せるよ。ちょーっと
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ