暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
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 クア・ル・レーン!!」

 疾風怒濤の連続突きが、サファイアだけではなく、他全員に迸る。

「ぐぇ! さ、サファイア! ちゃんと、止めろよー!!」

 トパーズにも飛び火したらしく、モンクを言うのだが、彼女とて、現状の状況くらい判っている。アイゼルの命令があるのだが、それでも撤退をしなければならない事は理解出来ていた。

「こ、こうなったら……光爆の連発で……!!」
「面白いじゃん……」
「っ!!」

 上空から、大鎌を持った悪魔が見下ろす。
 正直、怖い。……本物の、死神にも見えなくなかった。

「《絶望の鎌》」
「うぐあっ!!」

 真一文字に横薙ぎではらう鎌の一撃。トパーズは、なんとか魔法による防護は出来たのだが、その衝撃そのものは防ぐ事は叶わず、吹き飛ばされてしまう。

「光を使うなら、こっちは闇だ。……悪魔を怒らせた事、存分に後悔させてやる!」
「ぐぅ……、わ、私ら、悪魔なんか、怒らせた覚えない! って、なんで人間なんかを、そんな気に入ってんだよっっ!!」
「っっ! き、気にってる訳じゃないっっ!! そ、そう、ただのギリだ! あいつには、ギリ、貸し、……む、無理矢理な契約があるんだよっっ!!」
「な、なんだよーー! それーーー!!」
「う、うるさいっっ! さっさとぶっ飛べ!! 死爆!! 死爆!!」

 闇の中級魔法を怒涛の勢いで連発するフェリス。
 かつては、『八つ当たる!!』とか言いながら、放っていたのに……、今はそんな気配はまるでなかった。

「うげっ! ら、光爆! らい……、お、多すぎだぁぁぁ!!」

 魔法の物量で完全に押し負けてしまったトパーズは、ぶっ飛ばされてしまった。



 もう、殆ど虫の息だ。

 それまで、黙って眺めているだけのランスだったが……。

「こらぁぁぁぁ!! 馬鹿者! 殺すな、と言っただろうが!」

 容赦ない連続攻撃に痺れを切らせて、ランスは怒ってしまったのだ。
 彼女達の怒りの原因を考えても(考えない様にしているが)、ムカつく、と言うのに、更に由々しき事態だ。死んで、その体を弄ぶ様な趣味はランスには無いから。

「ぅ……ぐ……」
「な、なんなんだよぉ……、こ、こいつら……」
「こんなの、ちーと、ちぃとを、持ったヤツの仲間だから…………」

 殆ど立つ事が出来ていない使徒達だが、死んではない様子だ。

「ほっ! がはははは! キサマらなど、オレ様の部下や下僕、奴隷に掛かれば、楽勝なのだ!! さぁ、これからはお仕置きタイムだぞー! 眠ってる暇など無い!!」


 ランスが飛びかかっていった。

 なんだか、ランスの方がモンスターに見えなくもない状況なのだが。

「……兎に角、ユーリさん達が気になるから」
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