第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
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なのだろうか? と思える様な結果となった。確かに、使徒は人間よりも遥かに強い力を保有する。魔人の血より生まれし眷属故に、相応の力を与えられる為だ。
だが、その使徒達は 今回ばかりは悪手、死路だと言わざるを得ないだろう。
覚醒した? 彼女達、そして ランスやシィルを相手にしたのだから。
忍者 見当かなみは、饕・火丼の術を更に進化させ、諸刃の刃だったあの時とは違い、完全にその炎を自らのものとし、攻撃をしていた。同じ属性、ではないが近い属性と言えば、使徒ガーネット。彼女も紅色破壊光線を撃つ事が出来ない程、凄まじい炎に苦戦をしたのだ。
赤の軍 副将 メナドは、自分の上司であるリックの剣技を最も近くで見続けた、と言う事もあっただろう。そして、あの時 ユーリと一緒に戦った日から、もっと強くなろうとした想いの強さも、同じ位あった。日々、かなみと研鑽を積み、高め続けていた彼女は、リックの剣技を真似、そして 自身の必殺技として消化させた槍を用いた高速の突き《クア・ル・レーン》。それを駆使して、反撃の隙を与えなかった。
悪魔フェリスは、当然使徒の中では一番の強敵だと定められていた。空中からの攻撃、と言う絶対的な死角からの攻撃は、使徒達の集中力を、ガリガリ、と音を立てて削った。その鎌による一撃は、大地をも絶ち、片手間での暗黒魔法、《デビルビーム》は、正確に全員に直撃させていた。
「う、うぐぅぅ!! こ、こんな筈じゃ……っ!!」
「しゃ、シャラップです! ガーネット。コンセントレーション、コンセントレーションです!」
「む、無茶言わないで……」
もう、泣きが入ってしまっている使徒達。許しを請う訳にはいかない。アイゼルの命令は絶対だし、何よりも人間を完全に見下し続けたから。その妙なプライドと、絶対的な忠誠心が、彼女達を追い詰める原因だろう。
「逃がさない!! 火丼の術!!」
「うがっ!! も、もう!! へんな名前のくせに……! 鬱陶しい!!」
「う、うるさいっっ!!」
火遁の術、が正式な名前の筈だけど、かなみは間違えて覚えてしまった上に、相応のレベルにしてしまった為、もう直すに直せなかった、と言う理由があるのだ。炎の軌道が明らかにおかしいから、名前だけでも変えよう……って訳にもいかないのだ。
「アイス・アロー!!!」
サファイアが、必死に氷の矢で反撃をするのだが。
「気合だよ!!」
正面から、その魔法を受け止めたのはメナドだ。
幾ら消耗しているとは言え、威力が落ちているとは言え、正面から受けてそれでも全くひるまないのは驚愕だ。
「くぅ……、ヒューマン、が!!」
「僕たちを舐めるな! こんなの、こんなの……! ユーリの、皆の痛みに比べたら、
何でもないよっ!!
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