第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
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が……、関係ない。……そして」
そしてゆっくりと、アイゼルを見据え、剣先を向けて吠えた。
「お前の洗脳術も、例外ではない」
ユーリの鋭い眼光が、アイゼルの眼の中に叩き込まれた。
そう、ユーリの剣?は、アイゼルが先程から放っていた、目に見える程具現化された妖術、それは、空間をも捻じ曲げて見えてしまう程の、強力な妖術。それを断ち切り、霧散させたのだ。
妖術にかなり力を込めていたアイゼルは、その力の全てを吹き飛ばされてしまった。故に、己の力も同様に、吹き飛ばされてしまったも同然だった。
「我が……、妖術を、こんな方法で……」
魔法を斬る。
そんな現象は見た事がなかった。嘗て、ハンティ・カラーがユーリの技術に目を見開き、驚愕していたが、反応は魔人とて同じだったのだ。長く生きている魔人でさえ、見た事が無いかったから。より強大な力でかき消したり、ではない。……強さ関係なく、無に帰す。そんなイメージを感じたのだ。
「ふんっ!!」
「っ!!」
その動揺の隙に、即座にもう一度、距離を無くした。
そして 深く、深く、……何より強く、踏み込んだ。
その速度は、まるで 閃光。光よりも早いと錯覚させる程の居合だ。
「ぐぅっ!!」
確かに、アイゼルの無敵結界は発動し、その刃がアイゼルの身体に触れることは無かった。……だが、その威力による弾かれた空間は別だった。
魔人の結界は、攻撃を受け付けないが、他の影響はそうでもない。志津香の粘着地面の時もそう、局地地震での地面を使った攻撃もそうだった。直接的な攻撃でなければ、影響は受ける。
強力な衝撃波は、アイゼルの身体を吹き飛ばしたのだ。
「………くっ(今のは、ただの、居合による衝撃。意図して放った攻撃じゃないから……か!) 成る程……、ヘルマンの軍勢を、そして 部下達、……サテラ、ガーディアンを一蹴する訳ですね。それ程の力があるのなら」
「………」
アイゼルは、体力こそ消耗しているが、傷を負ってはいない。結界は攻撃を完全に防いでいるからこそ、ある程度の余裕も生まれた様だ。当初の寒気の正体は、未だに判らないが。
「ふふふ。成る程成る程、如何なる状況ででも、絶望しない訳だ。貴方と言う男がいたからこそ、なのですか」
「……お前の眼は節穴か?」
「……なに?」
ユーリは、侮蔑の視線を向けた。
「あいつらが、そんな安い理由だけで、立ち上がっていると、抗っているとでも思っているのか?」
ユーリは、剣を再び鞘に収めて、続けた。
「あいつらの強さを、お前は何も感じないのか。……いや、魔人とは そう言うモノ、だったな。………お前ら」
続けて、再び眼を
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