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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第216話 ヨツンへイムの異常と金髪の美女
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指を指した先には、あの別の人型邪神がプレイヤー達と協力して、再び象水母を攻撃しているのだ。……此処からでは目視が難しいが、よくよく観察してみれば、至る所で、かの様なサウンドやエフェクトが見えており、この周辺一帯で、大規模な攻撃、プレイヤーと邪神による攻撃が続いている様だった。
「こ、こりゃいったい……」
唖然としているクライン、そしてその隣で同じく見ていたリズも口をゆっくりと開いた。
「もしかして、さっきアスナやレイが言っていたスローター系のクエスト……ってこと?」
皆が揃って息を飲んだ。暫くして、レイナが口を開く。
「だったら……、リュウキ君の言っていた通り、なのかもしれないね。スローターの対象が、あの人型じゃなくって……、トンキーの、トンキーの仲間の方、だもん」
そう、ここに来る前にリュウキが言っていた推測。
エクスキャリバーを護っているのは、あのダンジョンで大量に生息している邪神は、まさにトンキーの仲間達を殲滅しているあの邪神なのだ。となれば、『あの邪神と共に、象水母達を殲滅すれば、《エクスキャリバー》が手に入る』と言う話自体がおかしくなる。
「……見えてきた、ってリュウキはさっき呟いたけど、つまり、報酬がエクスキャリバーって言うのがおかしい。ダミーかもしれない、ってこと、か?」
キリトの言葉にリュウキは頷いた。
「……ああ。だが、あのダンジョンで目にしたエクスキャリバーが
本物
(
・・
)
なのなら、な」
リュウキはもう一つの可能性の追求だって忘れていない。
あのダンジョンに確認された黄金に光る剣がエクスキャリバーだと言うのは、その形状を見たからなのだ。手に取って調べた訳でもない。キリトは以前、不正ではあるが、管理者コードを利用して、実際に手にとったことがあるから、あれが見た目本物である事は判っているが、もしかしたら、幻覚の類を張っているのかもしれないし、近づけば『残〜念〜でした♪』と言わんばかりに、消滅する可能性だって、否定は出来ない。邪神テイム成功率0%と違って。
だからこそ一概に、どちらが正解なのかは判らないのだ。
ただ、ここに集った皆は、リーファを筆頭に、トンキーの味方であり、且つ今 運んでくれているトンキーのこと、悲しそうに啼いているトンキーを見て、心情的には前者が正解であってほしいとは願うが。
「……だけど、多分、そろそろ判るんじゃないか?」
暗い表情をしていた皆だったが、リュウキの言葉で顔を上げた。
リュウキは、軽く笑うと頭上のあのダンジョンを見上げた。すると、あのダンジョンが見える方に奇妙な光が現れたのだ。光の粒たちが音もなく漂い始めた。
「っ……」
反射的に、レイナはリュウキの裾をぎゅっと握った
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