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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第216話 ヨツンへイムの異常と金髪の美女
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下になっちゃう感じがするもん」
その巨大な姿、そして 一撃与える攻撃力の高さは、あのダメージエフェクトの大きさ、そしてサウンドの大きさで大体判る。こちらが何十発攻撃を与えても、一発でチャラにしてしまう様な理不尽さを感じるのは十分すぎる程だった。
「ンじゃ、あれ……、つまり なんつぅか……《便乗》してるって訳か? 四つ腕巨人が象クラゲを攻撃してる所に乗っかかって、追い打ちを掛けるみてぇな……」
「でも、そんな都合よく、
増悪値
(
ヘイト
)
を管理できるものかしら?」
「……無理だ。例え、
あいつ
(
・・・
)
であったとしても。邪神に限らず、モンスター達はアルゴリズムで動く。……とは言え、敵認識に限っては 傍にまで近づいたら殆ど認識はランダムに近い。プレイヤー人数が少なくて、あのクラゲの影に隠れながら……だったら、出来ない事はないが、あのレイドだ。それも期待出来ない。何より、あの攻撃魔法を撃っている時点で、無理だ。プレイヤー側に切り替えてもおかしくない」
クラインの言葉に、シノンが冷静なコメントを出して、それを完全に否定するリュウキ。
そう、幾ら攻撃を違う相手に直撃させていたとしても、所謂《横取り》と判断して、攻撃を切り替えたりもするのだ。そして、助けたつもりであっても、体制を整え直したら、《邪魔するな》と言わんばかりに助けた側からも、攻撃をもらう事も非常に多く、情に訴える事が出来るのは、トンキーの時の様な例外、イベント以外は有り得ないのだ。
様々な検討をしていた時、とうとう、象水母が地響きと共に、横倒しとなり、あの邪神の一撃を受けて、粉砕された。
「ひゅるるるるるぅぅぅぅ…………」
悲しげだとも言える断末魔の悲鳴と共に、膨大なポリゴン片を振りまいて、その身体を四散させた。
トンキーは、あの仲間を助けたかったのか、或いは最後だけでも見届けたかったのだろうか、ただただ、悲しげに啼いていた。
その悲しみの悲鳴を間近で訊いたリーファは、肩を震わせ、そのリーファの頭に乗っていたユイも深く俯かせた。
かける言葉が見つからない中で、再び驚愕な事態が起こる。
次に、あの人型邪神VSレイド・パーティとなるだろうと予想していたのだが、それを裏切り、象水母を倒した事で、互いに健闘をたたえるかの様に、其々がガッツポーズをして、そのまま連れ立って、新たなターゲットを探しに移動を始めたのだ。
「……大分見えてきたな。今回の件」
「え? それってどういう……」
その《有り得ない》と思っていた事態を目にして、確信が行った様にリュウキは呟き、その意味を問おうとしたレイナ。だが、再び起こるヨツンへイムの惨劇を目の当たりにして、遮られた。
「あ、あっちも! あっちも同じ様な事が起こってる!」
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