第26話 エルピス
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かは分からないが、シエルの必死な姿が朧気な記憶を刺激したからだ。
今なら明確に答えが出せる。
自分は何故シエルを助けたのか?
それはシエルはエックスに似ていたからだ。
エックスに似て、自分よりも他人のために努力する彼女だからこそ、守りたかった。
自分は百年間エックスの傍を離れ、エックスのことを守ってやれなかったからこそ、せめて…シエルを守り、彼女の願いを叶えてやりたかった。
ゼロはZセイバーのチャージをしながらエネルギー弾をかわし、ダッシュジャンプで距離を詰めるとチャージセイバーをエルピスの顔面に叩き込んだ。
「グッ!?」
「俺は前にも言ったはずだ。ネオ・アルカディアを倒してそれで終わりならシエルはそんなに悩んだりはしないとな。シエルはお前みたいに単純な奴じゃない。いつも、平和的な解決法を模索し続け、時に挫けそうになっても必ず立ち上がる強い奴だ。そう、エックスのようにな」
「ダ、黙レ!ソウヤッテオ前ハ、シエルサンノ理解者ヲ気取ルノカ!?」
「少なくとも、復讐心に駆られ、ネオ・アルカディアと人間達を滅ぼそうとするお前よりはシエルのことを理解しているつもりだ。」
ワープで距離を取られたため、バスターショットを引き抜いてチャージショットをエルピスに当てる。
ネオ・アルカディアとそこに住む人間達が滅ぼされてしまえばシエルが望んでいる人間とレプリロイドの共存の可能性が断たれてしまう。
同時にそれはエックスの夢でもあり、微かに思い出せた記憶の中のエックスはどれ程ハンターとして輝かしい功績を重ねようと、決して戦いを肯定して来なかった。
そんなエックスがこんな残酷な最期を遂げることになるとは思ってもいなかった。
エックスが志半ばで倒れた以上、自分がエックスの意志を継ぎ、シエルを支える。
それがゼロの戦う理由になり、力となる。
「フザケルナア!突然現レ、シエルサンニ見守ラレタ私ノ幸セヲ壊シテオキナガラ!私カラ、シエルサンヲ奪ッタオ前ガアアアアッ!!」
激情に支配されたエルピスがエネルギーの消耗を考えずに攻撃を繰り出すが、狙いが甘いために容易にかわせる。
ワープで移動されても、セイバーとバスターのダブルチャージで対処出来る。
「悪いが俺はまだ死ぬわけにはいかん。エックスが…友が人間とレプリロイドの平等な共存を目指しながらも志半ばで倒れた以上、俺は友の意志を引き継いでいかねばならんのでな」
「黙レ!私ハ、オ前以上ノ存在ニナルンダ。ソシテ、シエルサンヲ取リ戻ス!シエルサンガ私ヲ愛シテクレルナラ、私ハ……私ハ……」
「本当にシエルを想うなら、あいつが悲しむような真似をするな。」
攻撃を掻い潜りながらチェーンロッドを振るい、羽を斬り裂いた。
「
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