第26話 エルピス
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
凄まじい轟音を聞いたゼロは真上の開かなくなったシャッターをチャージセイバーでシャッターを吹き飛ばしながら部屋に入ると、信じられない光景が映っていた。
辺りに散らばっているエックスの残骸とボロボロになって倒れているルイン、そして異形の怪物。
「オヤ?ゼロジャアリマセンカ…随分ト遅カッタデスネエ」
狂気に満ちた声でやってきたゼロに語りかけるエルピス。
「…っ、この声…エルピスか…何故そんな姿に…」
自分の知る姿からあまりにも変わり果てたエルピスの姿に、流石のゼロも動揺した。
「ダークエルフノ力デスヨ。エックスヲ破壊シ、ダークエルフヲ覚醒サセタノデス。コレデ、私ハ究極ノ存在二…神ニ等シイ存在トナッタノデスヨ」
エックスを破壊した。
その言葉に今まで感じたことのない激情が支配しかけたが、必死にそれを抑えた。
「何故、こんなことをした?こんな馬鹿げたことを」
「馬鹿ゲタコト?勘違イシナイデ欲シイデスネエ。私ハ何モコノ力ヲ悪イコトニ使オウトハ思ッテハイマセン。タダ、コノ力デ新タナル世界ヲ創リ出ソウトシテイルダケデス。レプリロイドダケノ理想郷ヲ…我々ガ幸セニ暮ラセル世界ニ!!」
「エルピス、レプリロイドだけの世界など幻だ。力で創り上げた理想郷などすぐに消えてなくなるぞ」
「黙レエエエエ!!」
エルピスは激情のままにゼロに向けてエネルギー弾を乱射するが、距離が離れていたために容易に回避出来た。
「………」
「全テハ、シエルサンノ為ナンダ!!我々ヲイレギュラー認定シタ、ネオ・アルカディア、ソシテ人間ヲ滅ボセバ世界ハ平和ニナル!!」
人間を滅ぼす。
シエルのためと言いながら、そんなことをすればシエルは悲しむだけだということにエルピスは気付いていない。
「お前はシエルのためと言いながら、シエルのことを何一つ分かっていないようだな。」
攻撃をかわしながらゼロはエルピスがシエルのことを何一つ理解していないことを理解した。
「何ダト!?」
「教えてやる、あいつはエックスと同じだ。他人の痛みを、悲しみを自分のことのように受け止める奴だ。だからこそあいつは人間の理想郷であるネオ・アルカディアから飛び出してレジスタンスを結成した。」
時々だが、シエルの姿がエックスと重なる時がある。
他人のために一生懸命になれるシエルの姿がゼロや彼女を姉のように慕うアルエットを含めたレジスタンスはどれだけ心の支えになったか分からない。
彼女と初めて会ったのは、自分が眠っていた忘却の研究所だった。
“ゼロ?助けて、お願い。助けて…”
目が覚めた自分に必死に助けを求めて縋ってきたシエル。
初めて会った、何も知らない人間の少女を自分は助けた。
何故
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ