暁 〜小説投稿サイト〜
神様転生した先のサイバーパンクで忍者になって暴れる話
シチュエーション・オブ・ソウカイヤ
2話
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く。
 相手組織の卵を強くしてどうする、と思う読者の方もいるだろう。勿論これには理由がある。
 田中先生であるふうまが使っている監獄というジツ。
 これによって、彼女達はタナカに対して好意を抱きやすくなっている。
 つまり彼に対して惚れっぽくなっているのだ。強さという力。有能な先生という能力。教え導くというソンケイ。それらが合わさった魅力が、彼女達の心の中に恋心や崇敬を植え付けている。
 ふうまの恐るべき計画は着実に進んでいるのだった。



 授業の後、ふうまは五車学園の廊下を歩いていく。目的地は校長室。井河アサギの居場所だ。
 前方から何やら急いでいる様子の女性が、ふうまと目が合う。

「あ、タナカ=サン!」

 歩いていく途中、オレンジ色の髪に短パンを履いた井河さくらが、タナカになっているふうまに声を掛ける。
 その胸は豊満だった。

「ねえ、今からお姉ちゃんのところ?」
「はい、校長に少し用事がありまして」

 タナカの答えに、さくらはやたらと大げさめいて目を丸くした。

 「ちょっとちょっと! もしかして、タナカ=サンはお姉ちゃんと付き合ってるの? 最近いろいろ会ってるみたいだし」

 教師と思えない言動だ。周りに人がいないとはいえ、あまりが大きく風潮するものではない。
 眉を潜めながらも、ふうまは口を開く

「仕事(・・)の事でよくお話ししているだけです。イイネ」
「アッハイ」

 瞬間さくらの目が虚ろになりながら、首を上下に振る。

 「そんな事より、いいのですか? 何か急いでおられたのでは?」
 「いけない! むっちゃんに怒られる!」
 
 何かを思い出したように体を弾ませると、さくらが脱兎のごとく走り去っていった。
 それを見送ったふうまは、安堵の溜息を吐いて歩き出す。
 どうやら彼の井河アサギとの現場(・・)を何度か見ていたようだ。
 
 (気をつけねば)
 
 ふうまは今後の計画を脳内で訂正しつつ、アサギのいる校長室へ足を進める。
 校長室に着くと、ドアをノックした。
 
 「コウチョウ=センセイ。タナカです。今いいですか?」
 「タナカ=センセイ? ドーゾ」

 アサギの招く声を聴いたふうまは、そのまま部屋の中へ入っていく。そのまま後ろ手で鍵を閉めた。
 部屋の中では、にこやかな笑みを浮かべたアサギが立っている。

「タナカ=センセイ。どうしましたか?」

 黒い髪を特有な髪形にしたアサギ。その胸は豊満だった。
 有能な新任教師であるタナカに、柔らかな視線を向けている。

「ドーモ、イカワアサギ=サン。ザイバツショゾクのフウマです」
「あっっっ!」

 タナカの声を聴いたアサギが、突然立ちくらみのように体制を崩した
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