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忘れ去られし古伝
一説目…
EXQUISITE CORPSE
3話

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俺は、ここにいればいいのかな、、

お前、ずっと俺と一緒にいるな、、

親って奴なのかな、、
何も話してくれないけど、、

寂しいのは、なくなっていくよ。





一本の大きな木の幹に座り、魔神は五十年話しかけた。
返事はなかったが、それだけで安らぐ。

ある日、魔神は話をしたくなった。

返事が欲しかった。

森に住む動物達にも試して見たが、返事は鳴き声だけ。
寒い時は寄り添ってくれたり、食べ物をくれたりしたが、話しは出来なかった。





ちょっと行ってくるよ。





皆に一言残し、魔神は森を出てみた。

歩いてみた。

心がドキドキするのを味わって、返事が貰えるのを楽しみにして、歩き続けた。

綺麗な川や、短い草がずっと生えている丘や、自分が生まれたような感じの綺麗な森を抜け、、

初めて、出逢った。




待て!
お前は神々に仇なす類いだな!

その容姿、、魔神か怪物の類いか!




あ!
俺と話し出来るのか!

なあ、友達、、、




きっかけなんてものは、突然に訪れるものだ。
経験のない者にとっては、強烈に残る。




なあ、、俺の話し、、




躯から赤い水が出た。
痛い、、苦しいなあ、、

話す事は、痛いのかな、、

感じた事があるぞ。怨みとか、悪意とか。

ハハハ…

話す奴は、敵か…

全員、、こんな、、奴らなんだなあ?

そうなんだなあああああ!!




魔神は、諦めた。

だからあの木や、動物達も話してくれなかったんだなあ。
話したら、敵になるから。

そこにいた敵を泣きながら引き裂き、肉という肉を刺し続け、土と変わらぬようになった頃、、




うがああああ、、、さび、、ぢ、じ、いいなああ、、




心の底は、生まれた時と一緒だった。



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