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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth23エリーゼ・フォン・シュテルンベルク〜Ich mag dicH〜
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メだ、どうにかして引き止める方法を考えないと。ふと、ターニャが言っていた事を思い出す。

――ディレクトアがもし王都に向かう前に戻ってきたら、告白でも口付けでもして引き止めなさい――

「・・・・それじゃあエリーゼ。行って来るよ」

オーディンさんが踵を返して、屋敷の前で待ってるアギト達のところへ歩き出した。ハッとして「ま、まだいいですか!?」って呼び止めると、オーディンさんは少し困ったような顔をして振り向いた。

「オーディンさんは、ベルカに居るエグリゴリを救った後、本当にベルカを離れるんですか!?」

「それもオリヴィエ王女殿下から・・・?」

オーディンさんの問いに首肯する。それが不安でしょうがない。ターニャから、別にベルカを離れなくてもアムルを拠点にして捜索を続けるっていう選択肢があるって教えてくれた。オーディンさんは少し黙ってから、「一応、そのように考えている」と選んでほしくない選択肢を言った。

「・・まま・・・・このままアムルに、ベルカに残ってもいいじゃないですか! 世界間の転移移動に魔力が必要だって言うのであれば、わたしがいつでもどこでも供給しますっ! なんならエグリゴリ捜索の旅に同行だってします。男爵の仕事は、帰ってから一気に済ませますからっ。お願いですから・・・ベルカから、アムルから、わたしから離れるなんて言わないでっ!」

子供のように駄々をこねているのは判ってる。それでも手放したくない男性(ひと)が居る。だからこそ最後まで諦めずにあがいて見せる。たった16年しか生きていないわたしだけど、この想いだけは誰にも否定させない。

「はぁはぁはぁ・・・帰って来てください。わたしは待ってます。待ち続けます。帰って来ないっていうのなら追いかけます。追いかけ続けます。わたし、この1年にも満たない時間の中で、かなり悪い子になっちゃったんですよ?」

嫉妬を覚えた、やきもちを覚えた、独占欲に目覚めた、他にもいろいろ。オーディンさんと出逢う前、そんなものは何もなくて、ただひたすらに目標に向かって走っていた。その頃に比べれば、なんとなく良い子より悪い子になったかなって思う。
でもそれが嫌じゃない。きっと誰にでも生まれる思い。わたしはそれを得られた。まぁもうちょっと自制出来ればいいんだけど、もうどうでもいい。手に入れたいんだ。オーディンさんの心、想い、願い、祈り、望み、そのすべてを。でもどうか軽蔑しないでください。

「エリーゼ・・・しかし私は――」

オーディンさんに全力で駆け寄って胸の中に飛び込む。わたしが抱きついた勢いを殺そうと踏ん張る事で生まれた隙に、オーディンさんの首に手を回して、

「大好きですっ、オーディンさん!」

精一杯頑張ってオーディンさんの目を見ながら告白、そして唇を重ねる。オ
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