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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth23エリーゼ・フォン・シュテルンベルク〜Ich mag dicH〜
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ける。オーディンさんは「エリーゼ?」振り返って、わたしの名前を呼んでくれた。もう止まらない、止まりたくない衝動に駆られたわたしは勢いよく「オーディンさん!」の胸に飛び込んだ。
「おっと」
抱き止めてくれたオーディンさんの腕の中で走って乱れた息を整えようとするけど、ダメだ、緊張から収まるどころか激しくなる。さすがにこれじゃわたしの心身が持たないと判断してオーディンさんから離れる。深呼吸を繰り返して、見苦しくないように努めて笑顔をつくる。
「えぅ、えっと、オ、オーディンさんに、ど、どうしてもお礼を言いたくて! あのっ、アンナを助けて下さって、本当にありがとうございましたっ!」
「ああ、どういたしまして。エリーゼも大変だったそうじゃないか。さっき会ったターニャから聞いた。こめかみ、大丈夫か?」
オーディンさんはそう言ってわたしの頬に触れて、少し腫れてるこめかみを覗いて来たから、「っ!」ドキッとなる。オーディンさん、顔が近いです。ちょっと困ります、けど嬉しかったり。収まりそうだった心臓がまたバクバクだ。
そして「モニカやルファの魔導で治してもらわなかったのか?」と訊かれて、「わたしのは軽傷ですから」と答えた。だから無駄に魔力を消費させたくなかった。オーディンさんもそれを察してくれたようで「なら私が」って、指先でこめかみに触れてきた。
――
水精は癒しを司る
(
ネオナーレ
)
――
微かな蒼い光に目を細める。少し残っていた痛みが引いていく。手を放して「よし」満足そうに頷くオーディンさんの微笑みをまっすぐ見れない。嬉しさと恥ずかしさで頭の中がぐるぐるごちゃごちゃ。
「オーディン先生・・・!」
「オリヴィエ王女殿下」「オ、オリヴィエ王女殿下!?」
「あ、エリーゼ卿。ごきげんよう。オーディン先生、今よろしいですか?」
突然のオリヴィエ王女殿下の登場に面を食らって、わたしはあたふた慌てちゃう。オーディンさんは「すまないな、エリーゼ。またあとでな」そう言ってオリヴィエ王女殿下に向き直った。あ、もうオーディンさんの意識はわたしから外れて、オリヴィエ王女殿下へ完全に向いちゃった。まだ話したい事とか・・あっ――しまった、“エグリゴリ”の事を訊くのを忘れてた。俯いてしまっていた顔を上げて、「っ・・・」でも、もうお2人は居なかった。
「はぁ・・・戻ろう・・・」
しょんぼりしながら医院へ向かって歩き出す。胸が苦しい、不安でしょうがない。この嫌な気持ち・・・どうにかするには「オーディンさんに、やっぱりちゃんと訊かないと・・・!」手遅れになる前に。すぐに追いかける。
行き先はたぶん会議場にもなっているヴレデンの屋敷だ。そこに向かえばきっと合流できる。そう思って走って・・・「やっぱり・・!」オーディンさん達はクラウス殿下
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