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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth23エリーゼ・フォン・シュテルンベルク〜Ich mag dicH〜
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。とは言え、その違いが判別できるのは自分のモノか他人のモノかだけで、アレはこの人、ソレはあの人というように正確に誰のモノかはさっぱりだ。
「一体どうし――って、あぁファルマコ・ネライダか」
オリヴィエの両腕の治療の助けになると思って差し上げた腕輪型神器・ファルマコ・ネライダ。私の神器制作能力によって創造した神器。当然私の神秘を発っしてもおかしくないんだが、ここまでハッキリと強く発するとは予想外だ。とにかく「急がなければ」飛行速度を上げ、オリヴィエとリサ、破壊対象のゼフォンの居る地点へ向かった。そして私は遠目にだったが、確かにこの目で見た。オリヴィエがゼフォンを破壊したその光景を。
†††Sideオーディン⇒エリーゼ†††
エテメンアンキと呼ばれる、イリュリア王都に現れた天を衝く塔から放たれた砲撃カレドヴルフによって起きた混乱も、腹立たしい事に元凶だったイリュリア女王テウタの声明のおかげでようやく収束した。収束はしたけど、別の問題が生まれた。イリュリアに降伏しないと、またカレドヴルフを撃つって。あんな光景を見せられたら、一般人の心はもう屈する事しか選択できなくなっちゃう。
「前途多難だなぁ〜・・あいたた・・・」
「大丈夫エリーゼ? 結構強く殴られたよ・・・?」
「うん、大丈夫。冷やしておけば治るよ」
わたしの心配をしてくれたモニカに、そう微笑みを向ける。カレドヴルフが撃ち込まれたディトマルシェン領は、ここラキシュ領から結構離れているけど、それでも空に立ち上った爆炎と黒煙はハッキリと目視できた。だからヴレデンの街の人たちが死の恐怖に襲われて、一斉に街の中を逃げ惑い暴れ出した。
駐屯している騎士団の人たちや、戦争を肌で知ってしまった事で逆に冷静になれたアムルのみんなと一緒にそれを収めようとしたんだけど。荒れる人ごみの中でもみくちゃにされている時、偶然振り下ろされた男性の拳がわたしのこめかみに当たっちゃった。そして今、わたしはちょうど休める公園で濡らしたハンカチで冷してる。
「モニカ。ルファは?」
「暴動を押さえるのに負傷したアムルの人たちを診てるよ。エリーゼみたいに偶然怪我した人、結構いるんだよ」
「あ、ごめん。わたしはもういいから、モニカもルファの手伝いに行ってあげて」
軽傷なわたしに付きっきりにさせるのは申し訳なくて、だから気を遣って言ったんだけど。でもモニカは「ううん。今はエリーゼを1人にしちゃいけないって、ルファと決めたから♪」ニコッ?って、とても可愛くて、そして今まで見せた事のない真剣さが滲み出た笑顔を見せた。その心遣いが嬉しくて、「ありがとう」でもちょっと申し訳なくて「ごめんね?」だ。
モニカはフルフルと首を横に振って、歳が2つしか変わらないのに明らかにわたしと大差のある豊満な
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