暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth23エリーゼ・フォン・シュテルンベルク〜Ich mag dicH〜
[2/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
してきた。
「・・・判りました。満足に戦い抜けるだけの魔力がない以上、我らは足手まといになるでしょう」
「・・・それに、アンナを送り届ける、という役目もある」
シグナムとシュリエルが努めて冷静に言い、「シャマル、アギト、アイリ。ここは主の命に従うぞ」ザフィーラが反論した3人を諭すようにそう言った。続いてヴィータも「しゃあねぇ。今のあたしら、オーディンを護れるだけの力も残ってねぇし」と渋々だが折れてくれた。アギトとシャマルとアイリは黙り、そして小さくコクリと頷いた。私の指示に従ってくれるようだ。
それを確認してエテメンアンキへと向き直って仰ぎ見る。うっすらとだが頂上の建築構成が見える。エテメンアンキは、例えるなら開いた傘の骨組みのような形をしていた。どうやって破壊するか、そして待ち構えているであろう防衛戦力を、どれだけ魔力消費をせずに潰すか思案しているところに、
『ベルカに生きる全ての民よ、聴いてください。私は、イリュリアの女王にして、天地統治塔エテメンアンキを統べる天界王テウタ・フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルトです』
少女の――テウタの声が、エテメンアンキより発せられた。
(しかしそれにしても“フリーディッヒローゼンバッハ・フォン・レーベンヴェルト”か)
騎士世界レーベンヴェルトの王の血筋が絶えずに残っていたのか。これまでファーストネームしか聞いていなかったし、驚いてしまった。そのテウタから声明が出た。簡潔にまとめると、武装解除、騎士団解体、その上で降伏し、イリュリアの傘下に下れ、というものだ。
でなければ、現在イリュリアと敵対している筆頭シュトゥラとバルト三国を含む8ヵ国に、エテメンアンキの砲撃、カレドヴルフを先と同じように撃ち込む、と。しかもテウタは今のところ参戦していない国々にも脅しをかけた。敵になれば、8ヵ国と同様に撃ち込むぞ、と。
「何と卑劣な。あのようなモノを見せられては、参戦する気力も、戦いを続ける意志も挫かれてしまう」
「ミナレット以上に戦争に持ち出しちゃいけねぇもんなだな、アレ」
シグナムとヴィータの怒りを完全に買ってしまっているテウタ。すぐにでも破壊しなければ、と判断した私は、エテメンアンキへ向かおうとした。が、テウタは最後に、明日の正午までは降伏勧告の返答を待ち、そしてそれまではイリュリア国内に入るな、それが破られれば問答無用でカレドヴルフを撃つ――こう告げた。
「オーディン、どうなさいますか? このままイリュリア国内に留まれば、カレドヴルフが撃たれてしまいます」
シュリエルにそう訊かれ、みんなの視線を一手に受ける。一撃でエテメンアンキを破壊するとなれば、おそらく真技が必要になるだろう。だが、2つある私の真技は発動できない。ともに使用魔力が
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ