第九話 再び、ヴァリエール家へ
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
☆ ☆
トリスタニア上空に北東へと向かう竜籠とそれを護衛する5騎のグリフォン隊の編隊があった
竜籠にはマクシミリアンと執事のセバスチャンの二人だけ乗っていて、ラ・ヴァリエール公爵領へ婚約者のカトレアの病気の治療を行うの旅の途中だった。
マクシミリアンは家臣団から提出された報告書を読んでいた。
報告書にはそれぞれの分野の改革案が書かれていて、この旅から戻り次第、父王エドゥアール1世と協議を行う事になっている。
先日、行われた元エスターシュ派の旧臣らとの会合は成功裏に終わり。マクシミリアンは優秀な政策ブレーンを手に入れることができた。
そして更なる人材の確保を目指して、密偵団を使って諜報活動がてら人材の捜索を行っている。
「殿下、何かお飲み物はいかがでございましょうか?」
一息入れようとした所、セバスチャンが聞いてくる。
「紅茶を頼むよ、ミルクたっぷりで」
本当は、コーヒーが飲みたかったが無いみたいだったから紅茶にしておく。
セバスチャンは一礼するとキッチンへと去っていった。
ちなみに、この竜籠は王家専用で簡単な料理なら出せるちょっとしたキッチンがついていた。
しばらくして。出された紅茶を飲みながら下界を眺めると、真下に川が流れているのが見えた。
下に流れている川はヴァール川といって、上流ではメイン川と呼ばれる大河で、ガリア北東を水源としてガリアとゲルマニアと流れトリステイン北部へ入ると2分岐し、ヴァール川とレッグ川になりそれぞれ海へと流れる。
上流のメイン川はゲルマニア人には『父なる川』と呼ばれ親しまれている。
ちなみに上流のガリア、ゲルマニアからの生活用水が混じって流れてきていて、下流側のトリステインでは、川の水はとても飲めるような水質ではない。
飲み水といったら大抵は井戸水だった。そのせいかトリステインは飲み水よりもワインのほうが安いため、ワインの需要が高かった。
マクシミリアンは眼下に広がるヴァール川と無数に伸びる支流を見る。
(出発前にヴァール川・レッグ川流域の開発予算を請求したけど。全額は無理でも半分は欲しいなぁ)
それはマクシミリアンが直轄地で水資源の豊富なヴァール川・レッグ川流域がほとんど手付かずだった事に目を付けて、国内での実績作りと、建設業の育成のための下準備を家臣団に命令した。
予算が下りれば、すぐにでも始められるように土木関係者に話をつけたり測量が出来る者を抜擢したりと、ミランはじめ家臣団は大わらわだった。
ちなみに測量と同時進行で正確な地図作りもさせている。
(いわゆる、ゼネコンを真似して見ようと思ったんだけど・・・)
・・・本当の所は、公共事業を同時に減税を推し進めてトリステイン国内の景
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ