第八話 少女アニエス
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
許可が出たため、堂々と空き地に入った。
少女はストレッチを止め、ジッとマクシミリアンを目で追っている。
この空き地やってきた目的は先日作った秘薬と空き地の向かい側にある川の水で初の広域魔法を発動させようとしていたのだが。
(大量の水を使った大規模魔法だから、集中するためにあまり人のいる所じゃ使いたくないんだよなぁ)
イメージもしっかり出来ているから失敗する事は無いと自信を持っているが。
万が一、失敗してもよい様に周りに被害が及ばないこの空き地を選んだのだが。
あきらめて、他の場所を探す・・・と、いう案を考えたものの不採用にした。
「・・・・・・」
(他の適当な場所は知らないし・・・・・・どうしたものかなー)
マクシミリアンはどうするべきか唸っていると、背後から何かが近づいてくる気配を感じた。
「ん? 何か用?」
「えっと、何してるかと思って」
への字口をしながらも近寄ってきた少女は戸惑いながらも答えた。
「休憩をかねて弁当を取ろうかと思ってね、それでこの空き地にやって来たんだ」
「そう・・・」
街の住人にとってマクシミリアンは『知る人ぞ知る』と言った存在なのだが、少女の前では正体の事は伏せることにした。
(仕方ない、適当にあしらって、早いとこ帰ってもらおう)
ちなみにこういった時のためにカモフラージュ用の弁当を用意してある。
「ところでキミ、何て名前?」
「えっと、アニエスだけど」
「アニエスね うん、いい名前だね」
「・・・ありがと」
はにかんだ笑顔にマクシミリアンも思わずほっこりとした。
(最初は何処か陰気な娘だと思ったけど、中々どうしていい娘じゃないか)
「貴方の名前は何?」
「僕? 僕の名前は・・・」
『マクシミリアン』と、言うと、いろいろ問題があるかと思って。
「・・・ナ、ナポレオンだよ」
・・・と、偽名を使うことにした。
「そう、珍しいけどいい名前なんじゃないかしら」
「ははは、ありがとうアニエス」
「ふふふ」
(・・・それにしても、咄嗟に出た名前とは言え『ナポレオン』とはね)
マクシミリアンは思わず口元を歪めた。
☆ ☆ ☆
当初は追っ払う目的だったが、以外に会話は弾んだ。
「ところでアニエスは・・・」
「ん?」
マクシミリアンとアニエスは二人、空き地に置いてある木材に腰を下ろして弁当の黒パンを頬張っていた。
アニエスは当初、半分にした黒パンの片方をマクシミリアンに勧められたがこれを断った。
マクシミリアンも『一人で食べるのは味
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ