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彼に似た星空
18.謝罪と懇願
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た。口に出してしまっただけで、立ち続ける力が失われた。私はその場に膝から崩れ落ちた。愛する妹たちを自らの手にかけた自責の念と、愛する彼を失った悲しみに押しつぶされ、前に進むことが出来なくなった。自責の念が鎖となって縛っているためか、私の心臓は全身に血液を巡らせるためにバクバクと音を立てるほど強く波打った。しかし、心臓をしばる鎖がそれ以上の鼓動を許さず心臓を力づくで締め上げ、結果私の心臓はもがき苦しみ、私の胸は、かきむしり心臓をえぐり出し、毟り掻きたくなるほどの痛みに襲われた。

 私は、比叡と榛名に再び逢いたかった。

 罵倒してくれて構わない。恨まれるのも覚悟の上だ。だから私の元に戻ってきて欲しかった。再び会い、私を睨みつけ、『お姉様のせいで私達は沈んだのに、なぜお姉様は生きているのか』と罵倒して欲しかった。直接言われるのなら、彼女たちの罵倒はどのようなものでも受け入れよう。どれだけ憎まれてもそれを受け入れよう。

 だから戻ってきて欲しかった。戻ってきて、私とまた話をして欲しかった。そのためなら何でもするつもりだった。海軍に戻れというなら戻る。命と引き換えだというのなら喜んで差し出す。だから私の元に戻ってきて欲しかった。

 そして私は、彼にもう一度逢いたかった。

 彼にもう一度会って、彼の声を聞きたかった。彼の手に触れ、彼の胸に身体を委ねたかった。彼の手に、私に触れて欲しかった。髪を撫で、身体に触れ、唇に触れて欲しかった。あの日のように私を抱きしめ、耳元で『愛している』と言って欲しかった。

 彼に、その美しい瞳をもっと見せて欲しかった。あの日の、月明かりに照らされガラス細工のように美しかった横顔を、もっともっと見たかった。見た目は女性のように美しいのに、触ってみると意外と骨ばってゴツゴツした彼の手にもう一度触れたかった。彼の髪を撫で、彼の涙を拭い、彼を抱きしめ、彼とともに歩みたかった。彼と共に喜び、怒り、泣き、笑いたかった。

「もう一度逢わせて……比叡……榛名……テートク……」

――こんごー
  金剛お姉様ー
  お姉様

 不意に、右手にあたたかい感触があった。確かに私は今、誰かに手を握られている。その手は私の右手を握り、私を前方に誘おうと優しく手を引いた。私はその手の感触に逆らうことなく、立ち上がり、再び小道を進んだ。

 手をひかれながらしばらく歩いて行くと、中庭に出た。中庭は開けており、中央には大きな楠の木と池がある。

 そして私はその時、はじめて空を見た。夜空には、今日霧島と鈴谷と3人で見た花火よりも、あの日彼と見た鎮守府よりも美しいたくさんの星々が、まるで宝石のように輝いていた。

「beautiful……」

 周囲に余計な明かりがないせいで星々がよく見えた。星空は、冷たく
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