暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?ドクター・プライソン〜Prologue for Episode W〜
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も模擬戦を重ねている仲だ。
そんな彼の後に続くのは同じく首都防衛隊、その分隊長であるクイント・ナカジマ、メガーヌ・アルピーノの2人だ。彼らは真っ直ぐに目的のオフィスへ向かい、そして「失礼する」査察課オフィスの入口に設けられている受付カウンターに座る女性局員にゼストは声を掛けた。

「首都防衛隊、ゼスト・グランガイツ一等空尉です」

「はい。任務内容は承っております。戦闘可能な高ランクの魔導師でもある査察官1名を同行させたいとのことで。こちらでご希望に沿う課員を何名かリストアップしていますので、ご自由にお決めください」

カウンターに展開されたモニターに10名近い査察官の顔写真や名前、魔導師ランク、簡単な紹介文が表示された。

「「あっ!」」

クイントとメガーヌが同時に声を上げて、「ルシル君!」ある査察官、ルシリオン・セインテストの顔写真を指差した。

「査察官としての経験は浅いですが、それを優に補える知識や知恵や固有スキル、何より空戦S+の古代ベルカ式騎士としての戦闘力もあります。あと大声では言えないのですが、かつて次元世界の犯罪者を震撼させたパラディース・ヴェヒター、その参謀格であるランサーだった少年です。彼、私のイチオシです♪」

女性局員から説明を受けたゼストは「あぁ、この少年がリヒャルトの言っていた、イリスの想い人か・・・」と、別のところで納得していた。

「隊長! 彼にしましょう!」

「私もルシル君を押します!」

クイントとメガーヌからの熱烈な提案に「戦力的にも申し分ない。それに部下からの願いでもあるしな」ゼストは、ある任務へ同行させたい査察官としてルシリオンを選択した。それからゼストは手続きを終え、ミッドチルダへ降りるための次元港へと2人の部下と共に向かった。

「なんとしてでもドクター・プライソンの足取りを捉えたいですね」

「そのための違法研究が行われていると密告(タレコミ)があった山岳地帯の捜査だからね。この日のためにいろいろ準備してきたんだから、しっかりと成果を上げたいわね」

「違法魔導師が多いという危険地帯だ。気を引き締めていくぞ、クイント、メガーヌ」

「「はいっ!」」

前を行くゼストに向かって首肯するクイントとメガーヌ。この捜査が近い将来に起こる悲劇の幕を開くことになろうとは誰も思ってはいなかった。


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