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豹頭王異伝
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湖の導灯
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飛燕騎士団に手渡し黒竜将軍トール、金犬将軍ゼノンの許に走らせる。
 豹頭王の率いる世界最強の騎士団、ケイロニア軍が本格的に動き出した。

 マルガでは幸いな事に、スニの眠りは短時間で解除出来た。
 ヴァレリウスは竜王の奇襲に備え、一刻も早く湖の小島に詰める予定であったのだが。
 リンダが『このまま、スニが目覚めなくなるかもしれない!』と恐慌状態に陥った。
 流石に無視は出来ず、キタイの魔道を解析し解呪の方法を探る。
 スニが目覚めた直後、リンダは感極まり歓喜の涙を見せた。

「素晴らしいわ、ヴァレリウス!
 もう二度と目を覚さないんじゃないか、そう思って、一睡もできなかったのよ!!
 ナリスの信頼する貴方は最強の魔道師、パロ聖王家の未来を切り拓く希望の光ね!」
 パロの予知姫は紫色の瞳を星の如く煌かせ、無邪気な崇拝の表情で魔道師を褒めちぎる。

「お褒めに預かり光栄至極で御座います、直ちにナリス様をお護りに参ります」
(アグリッパ、イェライシャ、グラチウスに比べれば俺なんて子供も同然ですよ!
 ナリス様と、セム族の小娘と、一体、どっちが大事なんだ!?
 パロ製王家の誇る予知者様に盾突く気は無いが、いい加減にしてくれ!!)
 ヴァレリウスは内心激昂したものの、口に出す訳には行かない。
 心話の絶叫が超絶の霊感を誇る暁の妃、パロの守り姫に届く事は無かった。

「ナリスをお願いね、私も神殿に篭ってお祈りをするわ」
 スニを抱きしめ、朗らかに返す製王家最強の予知姫。
 パロ最強の魔道師は灰色の瞳を伏せ、唇を堅く引き結び閉じた空間に消失。
 一部始終を横目で見守っていた若き賢者、ヴァラキアのヨナは何も言わなかった。

 古代機械は精神波も通さぬ未知の結界、《バリヤー》の内側に魔道師の配置を許可。
 上級魔道師3名は《甲板》の上、下級魔道師10名は周囲に円を描く様に等間隔で立つ。
 下級魔道師は斜め向かいの同僚に念波を送り、受信者も更に斜め向かいの同僚に転送。
 第一班5名が青い炎の様に見える念波を循環させ、五芒星の魔法陣が浮かび上がる。

 第一班5名の中間に立つ第二班5名は、白い炎の様な念波を循環させ星型五角形を形成。
 白い星と青い星が輝き、共鳴相乗効果で念波が増幅され魔力を強化。
 ヴァレリウスは魔法陣の真央点《センター》で結跏趺坐、結界を張り念波を統合。
 下級魔道師10名に魔力を還元、更に共鳴させ魔法陣を数倍に強化。
 古代機械の遮蔽力場を護る青白い地上の星、光の魔法陣が輝いた。

 15タルザンが経過の後、第一班の下級魔道師5名は第三班と交代。
 ヴァレリウスも第一班と共に交代、上級魔道師アイラスに後を任せ魔力回復の為に就眠。
 15タルザン後、第二班の下級魔道師5名も第四班と交
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