Chapter 4. 『堕ちてゆくのはぼくらか空か』
Episode 26. The Cross of the Indra
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「セイッ! おらぁっ! ふんっ!!」
「く、クソッ!」
心配の欠片も不要とばかりに戦闘を続ける、一護の存在だった。
上級幹部のジョニー・ブラック相手にしてもほとんど無傷。繰り出されるナイフの乱撃を刀を僅かに翳す最小限の動作で防ぎ、続けざまに攻撃を叩き込む。刀の間合いの内側に入ろうとジョニーが肉薄するも、容赦のないアッパーが顎に直撃。上体が大きくのけぞった。
速攻で体勢を正したジョニーが下段からの刺突を叩き込む。が、一護は手首を掴んで真っ向から止めた。抜け出る前に刀が振るわれ、ナイフごと右腕が消滅。そこに生まれた隙に一護の蹴込みがクリーンヒットして、ジョニーは大きくふっ飛ばされた。
「ちっくしょぉ!! ンの野郎がぁ!!」
「どーしたよ、もう終わりか? 先鋒で出てきたくせに、随分あっけねえじゃねえか。よお!」
「がはっ!!」
尚も抵抗するべく新たなナイフを振るうジョニーだったが、部位欠損のペナルティのせいか、動きが鈍い。短剣使いらしからぬ大振りを捉えられ、再び一護の蹴りが命中。数回バウンドしながら後転し、床に強かに叩きつけられた。
「さて、もう勝負はついたろうが。とっとと掴まってもらうぜ」
肩に刀を担ぎながら、一護はゆっくりと近づいていく。ジョニーはうなだれたままピクリとも動かない。HPはすでにレッドゾーンに達しそうなほどに減少している上に、相手は一護だ。単純な不意打ちなど通用しないことが出会いがしらの投げナイフでわかっている以上、妙なことはしないはず――そう思った直後、
「――イッツ・ショウ・タイム」
頭上で声が響いた。
同時に、枝道から無数の黒い線が私たち目掛けて殺到した。咄嗟に身を捻って数本は躱したけど、数が多すぎた。三本を両足と左手に受けてしまい、貫かれた。麻酔状態で神経を刺激されるような不快な感覚が私を襲う。
不意は突かれたけど、ダメージはほとんど食らってない。慌てず冷静に体勢を立て直さなければ。そう思い、一度後退しようと両足に力を籠め――られなかった。どころか、踏ん張りすらきかない。思わずその場に崩れ落ちてしまう。受け身も捕れず叩きつけられる視界の中に、同様の状態になって倒れ伏す攻略組たちの姿があった。良く見ると黒い線の実態は鎖らしく、さらに人数は少ないもののラフコフの構成員も巻き添えを食う形で捉えられていた。
一体これは何なのか、混乱する思考回路を何とか落ち着かせて考えようとしていると、
「Wow……こいつは大漁だ。どこもかしこも有名人だらけじゃないか」
「作戦、成功」
どこからか声がした。仰ぎ見ると、そこには二人の人影があった。一人は襤褸布と髑髏の面を纏い、エストックを持つ小柄な男――ザザだ。HPが全く減っていないあた
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